第7話 君と小悪魔
一日目夜のオリエンテーションが終了する。さすがに美桜も女友達と歓談していた。
俺も同じ歳で一浪して入学したという大森という男と仲良くなった。
「お前いいな!さっそく彼女がいて……」どうやら大森くんは、美桜さんを俺の彼女と勘違いしておいでのようだ。
「いや、あの
「そうか……、じゃああの篠原って先輩どう思う?」大森が聞いてくる。
「どうって……、性悪そう……、いけず……、デーモン……」彼女への印象を聞かれると、色々な言語が飛び出してくる。
「はあ?お前は女を見る目ないんだな。どっちかって言うと女神様だろ!」あっ、君も泣かされる人なんですね。
「そうかね……」ふと、美桜のほうに目をやると、俺と目が合ったことが恥ずかしいのか下を向いた。
「お前の知り合いの子は今一だな」なんでそんな勝ち誇ったような感じで言うんですか。あなた美桜の素顔を見たこと無いからそんな事を言えるんですよ。
「顔で人を判断するのはスカンわ」俺はポツリと本音を呟いてしまう。
「あっ、悪い!悪気はないんだけどな」大森は少しばつが悪そうに頭を掻いた。
真ん中でオリエンテーションを仕切る昌子と目があった。なぜか笑顔で軽く手を振ってくる。大森が勘違いして笑顔で手をふりかえした。
全くどいつもこいつも、お前ら皆、あの小悪魔に泣かされちまえ!俺は呪いを掛けるように祈った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます