第77話閑話休題ある少女の話1


いつからだったかな?

ふと、思うこの隣にいる少年のことだ。

なんとなく覚えているのは、引っ越しをして一緒に住む様になったことだ。


最初に見た時は、なんというか、弱そうというか、何もできなそうと初めて会った時に思ったのだ。

同じ歳なのに全くと言って良いほど彼は歩けなかったのだ。

ただ時々見ていると彼は本を手に取っていたり、ある程度喋れたりベットを無心で叩いていたのを見て、何もできない訳じゃないのかと考えを改めた。


私が動けた時に彼は動けなかったが、私が喋れない時に彼は喋れた。

なぜか彼には私のしたいことが分かっているらしく私の言いたい事は彼が代わりに伝えてくれた。彼が一人でできない事は私が一緒になってなんとかした。

そんな日々を同じ家で過ごしていくうちに兄妹のように感じていた。


あ、でも姉弟かもしれないのでそこはなんとも言えないのだけれど、いや、私が姉だ!あのチビは最初は立つことすら出来なかったのだ、姉の私が守るべきなのだ!!。


ある時、魔法を学びたいとシンジが言っていたので、私も一緒に行きたいと言ったことがあった。シンジを守るのに違う所にいたら意味が無い。私が弱いままでシンジが強くなったら守れないと焦っていたんだと思う。


今は一緒に学べているし私の足や運動能力と一番相性がいい風の魔法を習得したおかげで早く走れるのですごく気分がよかった。

マナを鍛える時もシンジはちゃんとやっていて、本当はあっちこっち駆け回りたかったのだけれど、姉だからサボるわけにはいかない我慢だ。


ただそれとは別にシンジは色々と変なことをしていたと思う。本を読みながら片腕で正拳突きを繰り返していたのだが、黙って見ている事にした。


断命祭の時にはやけにでかいスライムが暴れていたが、シンジと協力してちゃんと倒せた、もちろん私のおかげだし、シンジも役には立ったが、私が守ったと言っていいだろう。さすが私だ。

ただ、シンジ以外の子供はちょっと怖かったのであまりシンジから離れない様にした。


後の祭りはたくさんの食べ物をくれる、おじちゃんやおばちゃんがいたので怖くなかった。


シロに初めてあった時、この子は私が守らなければと思った。私はシンジ以外の子供は怖いと感じていたのだが、シロは全く怖いと感じなかった。服が汚れていたし、体も汚れていたので一緒になって水を浴びた。

その後に、シンジとシロと3人で遊んだすごく楽しかった。この二人は私が守るこの楽しい時間は誰にも邪魔させないのだ!!

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