第76話うちの家族はやっぱりすごいよね


父グラムと母ダリアの事を知ろうとして一日何をしてるのか観察した日があった。

まず、驚くのが文字が書けること、読めることだろう、家に本が何冊かあったりしていたので当然と言えば当然なのだが、現世での中世ヴェネチアでは16世紀での識字率は33%ほどだったので、二人ともが読めるのというのはすごいと思う


どこまでなのか分からなかったが、シロを一度奴隷として家に招いたのにも理由がある様であった。当然ながら法律はこの世界にもありその中に奴隷に関する物も当然ある。

簡単に言ってしまえば奴隷は物としての扱いになるのだが、奴隷の所有権を有する者以外の指示や命令、許可がない場合は、危害を加えれば当然犯罪の扱いになる。

シロは奴隷としての契約は破棄しているが、奴隷の証としての首輪はつけたままなので、側から見た時に危害を加えられないで済む事を考慮したのではと考えたのではということだ。もちろんスキルなどで確認すればすぐにわかるには分かるが・・・。


この文明レベルで、法律を知った上で逆手に取る様な行為が出来る。少なくとも調べる手段を持っている時点でただのBランクの冒険者な訳がないように感じるのだ。


お金のこともそうである、法律を逆手にとって、いくら自分たちの子供の願いとはいえ現代換算の500万を出しその上でシロを自由にしているのだから、グラムとダリアの利益としては何も得られていない事に等しいのである。

にもかかわらず、特に生活が困ることもなく二世帯が住める家と土地を持っている。あれから食事が質素になったりせず、というか前よりも豪華になっているような・・・。


単純に今疑問に思ってる事を言ってしまえば、本当に『Bランク』なのか、もっと正確に言ってしまえば『Aランク』だったのではと感じているのだ。

Aランクの冒険者に二人組は存在しない。この世界ではAランクとして認められているのはフルパーティーだけなのだ。もしかしたらその中に二人ともいたのではという話なのだが、話さない理由が何かあるのだろうということでこの考えはしまっておこうと思う。


つまり母と父はすごいよねと改めて思ったのだ。


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