第63話 洗濯は終わった
洗濯は終わったので、とりあえず、
乾かす作業に入る、まあ、自然乾燥でも良いのかもしれないが、速いに越したことはないと思い火魔法を使いながら近づける離すを繰り返しながら少しずつ乾かす。
現代でやった事があるが、ストーブで服を焦がした事があるので、慎重にやっていく。あの時は、うん確かサッカーのソックスだった様な気がする・・。
そんなこんなで、ビビりながら乾かしていると、ニーアが走ってきていた水浴び後にすぐ来たのかまだ、髪も濡れたままであったのだが、
「シンジすぐ来る〜!!」
と言った後にまた走っていってしまった。尻尾がやけにピョコンピョコンしていたので、水浴が気持ちよかったのだろうか?
片付けをしてすぐに向かう事にした。
洗濯の歴史なんて振り返っていたが、あれは気を紛らわす為のものでしかなかった。
薄々分かっていて、知識としてあって、この時代というか、知識が伝承でしか紡がれていかない家族から家族に親から子にそういう偏った普通が、正しい物が分からないこの時代では・・・。
シロはきっと除け者にされるんだろうと、分かっている自分が、知らないニーアが関わらなければ、あの子はきっと友達が出来ないんだろうと、あの子が一人で自立出来るまでにあの子がどれだけ傷つくのか。あの子は不幸に見舞われる、それはあの子が呪われた子などではなく、周りがあの子を遠ざける為に悪意を向けられる対象になるからだ。
多分シロは、ハイエルフとダークエルフのハーフの子だと思う。ハイエルフとダークエルフは仲が悪く、簡単に言えばハイエルフは信仰の対象にすらなるが、ダークエルフは魔物だと言うような国すらある。そんな状態でハーフの子が。どんな仕打ちを受けるのか、想像するまでもなく、わかる事である。
どうなるか、分からないし、正直関わっちゃ駄目なんだろうなと思いつつ、次に関わった時に変わり果てていたらと。
関わって自分達も悪意に晒されたらと。
そう思いつつ、自分がもしあの子だったら、どうされたいか、どうして欲しいか何があれば、生きて行けるかを考えた時に。
うん、結局関わった子が涙を流すのが、悲しい顔をするのが、それを想像してしまうのが、気に食わないのだろう。
まあ、親とかが認めてくれるか分からないが、とりあえずシロのことが伝わるまでは暖かくしようと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます