第52話 祭りの日が終わる


断命祭が終わり、後の祭りも二、三時間という短い時間で終わりを迎え家路に着いていた、祭りで買ったどちらかといえば日持ちがするものがおかずとして並べられた。揚げ物だったり、串焼きみたいな物を少しだけ温めている様であった。


まあ料理としてできているものを再び温めているので、最高の状態からは離れているのだが、祭りの興奮やいつもとは違う1日を振り返ると考えると、最高の料理かもしれない。


自分の両親とニーアの両親皆んなでの食事であり、やはりというか、一番の話のネタは、ニーアの魔法のことであった。獣人は本来肉体的な恩恵が多いのか魔法の才能を授かるものは少ないのだが、どちらにも恵まれている様ですごい子になるなと盛り上がっていた。当の本人は魚のフライを頬張っていて特段気にしていない様であった。


その話の流れで、スライムの異変が断命祭前から起きていたんだよな〜と話し始めた。

実はスライムの捕獲は初めて捕獲を行うときのチュートリアルみたいなもので、断命祭に合わせて行われるらしいのだが、今年はスライム自体が活発だったのか、単体のスライムが少なかったらしく、ギリギリまで捕獲をしていたという話を聞いたとのことだった。


去年は合体している個体が存在していなかったことを考えると、なにか魔物の中で起きているのかもしれないとのことであった。そんなこんなで話は、俺たちの今後にも話が飛んでいった。


この世界では、一応、魔物が出るエリアを探索することが5歳から出来る。

条件として、初等冒険者養成校に入る必要はあるのだが、大抵の人は入るらしい。

というのも、国の支援金が大きく割かれている分野らしく、読み書きや算術、魔術、剣術、槍術、弓術など選択制と共通の授業をしてくれる為、今後の人生を決める上でも大きなアドバンテージを得られるためでもある。


それだけでなく、単純にお昼だけではあるが、一食分が養成校から支給されるので単純にありがたいというのもあるというか大半はこれが目当てであるかもしれないが・・・ともかく、自分たちは後2年は養成校には行けないので、ミコット先生の元で魔法を学んでいこうと思いながら串にくにかぶりついた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る