第51話 後の祭り


断命祭は長く見積もっても3時間くらいで終わった。

トラブルも少しあったが、それ以上にそのトラブルを解決したニーアがヒーローというか、本日の主役というか、とにかく今日のニーアの人気は凄まじいものであった。


断命祭の後に開かれるのも祭りである。というのもこの祭りは体調不良者以外は参加する義務があり、仕事を午後からとなると、とてもでは無いが時間効率が悪いらしく、ほとんどの人が仕事をしないのである。


ただ商魂たくましい人たちもおり、広場にこれだけの人が集まっているのだから、商店を臨時で出す人もいれば、ここに今日だけ移す人、もともと広場に店を出している人が一堂に介して集まるのである。


結果的に祭りの後の祭状態になるのだ。しかも断命祭で勇敢だった子や、ニーアみたいに飛び抜けていた子などがたまにいるので、その子たちにご褒美というか勝手に奢ってくれるというかとにかく皆んなの財布の紐が緩む日でもあるのだ。


ちなみに、ニーアは出店を移るたびに何かしらの物を貰えているのですごい事になっている。串焼きやパン揚げ物にパスタと色々なものを抱えているので実はもう食べるとかでは無い状態なのだが、今日のヒーローという感じが、抜けるまではずっとこのままなんだろうなと思いつつ。

ミーアの持っている食べ物を半分持つ事にした。


当然自分たちの親も直ぐそばにいるのだが、俺の火魔法を込めたナイフをしっかりと見ていた元冒険者たちが取り囲んでおりまだしばらく時間がっかかりそうであった。ニーアの方もそんな感じで、まだしばらくは、出店を楽しめる様であった。


出店を見ているとふと、耳に入ってきた言葉があった。

「なあ、今年のスライム明らかにおかしくないか?いつもならどんなにスライムがくっついていても封印の鎖で合体しないはずなのに、今年のスライムはやけに生きが良かったように思うんだが?」


「何言ってんだ?スライム生きが良いも何もそもそも今年の捕獲自体もとんでもなく苦労したって話だった様だぞ」


・・・魔物が強くなってるのだろうか?

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