第48話断命祭2


半分以上の子達が泣いている中、自分の分のスライムにすぐにトドメを刺したのはミーアが一番であった。しかも風魔法を使ったのか、スライムの体はバラバラになって散っていった。その後に赤い石の様なものが、カランと音を立てて落ちる菱形上で一番長いところで3センチくらいだろうか?


それを手に取り、ナイフを返しに行っていた。

担当の人に頭を下げて返すとそのまま俺の方にやってきた


「シンはやくたおしてかえる!!」

とせかされたので、自分も自分の担当のスライムにトドメを刺した。


刺し終わった後に石を回収してナイフを返しに行く。

刺した感想は正直言って特に何も感じなかった、何というかあの赤いブヨブヨが魔物で生きているという実感があまりなかったのだ。

見た目も、ゲームのキャラの様で罪悪感などはあまり感じなかった。

並列思考を取得していれば、拒否反応を示していたかも知れない昨日スキルの忘却で消えていたので、問題なく進んだ。


断命祭を終えたミーナと俺それ以外になんか、だいぶ傲慢そうなプライドの高い子が一人いた。そいつは目がやけに細く、腕を組んでふんぞりながら立っていたので、関わらないでおこうと感じた。

しばらくしてそいつの取り巻きなのだろうか?が二人寄ってきていた一人は体型がふくよかなぽっちゃり、もう一人はガリガリのひょろひょろであった。


そいつらの会話が耳に入ってくる。

「マルーム様今年の断命祭お見事でした」

とガリガリ、

「どっでもカッコ良がったですマルーム様」

とぽっちゃり、


「あれくらい、誰でも出来るだろうが、弱ったスライムくらい赤ん坊でも倒せるだろ、それなのに、他の奴らときたら、ギャーギャー泣きやがってうるさすぎだろ」と、行った後に乾いた笑い声を出していた。


うーん、見た目で判断してはいけませんとはよく言われるものだが、明らかに関わると危ない者は案外直感でわかるんだよなーと思う。

そんな思考をしていた時に再度広場を見ると何か様子がおかしくなっていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る