第36話魔力感知
お昼寝も終えて午後からは、外での授業ということで、あの木の中の家からは出て場所を移すとのこと、10−15分位だろうか、先生と一緒に歩いていると、草原が広がる場所に着いた。天気が良いのも相まってなのかなんなのか分からなかったが、人の手が入らない自然がとても心地よかった。
所々岩だったり、木などがあるので、珍しいなと感じたのは現代の記憶のせいだろうなと感じた。
現代ではビル群が立ち並んでばかりで、暑苦しい事この上無いが、その記憶のおかげかこんなにだだっ広く自然が残っていることに関して、心が洗われるとはこのことを言うのだろうと感じた。
「やった〜草原だぁ〜」と言いながら走り回るニーアは、やはり、2歳でも獣人なのだろう、明らかに、二歳児が出して良い速度では無い速度で走り回っていた。
「ミコットせんせーここでなにをするの?」
とやはり言葉足らずな声で質問すると。
「うん、魔法を見せたいかななんて思ったのと、魔力を感じて見るのがやっぱり先かなと思ったから外に出ることにしたんだよ!!」
と胸を張って高らかに宣言していた。
「何かを習う時ってさ。どこを目指すかと、実際にプロがどこまでやるのかとか知っとかないとイメージがつかないと思うんだよね、だから君たちにはこうなって欲しいなってのを見せようと思ってね」
と笑顔で答える、まあ口元しか見えていなかったのだが・・彼女は、そう答えてくれた。
ニーアも一通り走り回って疲れたのか、草原で空を見ながら寝っ転がっていた。
「ニーア今からそっちいくから走らないでね!!」
と、ミッコト先生がいつもより大きな声でそう言い放つ。
三人が揃ったところで先生の魔法を見せてもらうことになった。
先生が詠唱を始めると周りの温度が上がったような気がした。空気が少しずつ先生の方に流れていくのが分かる。
「我求(われもとむ)は開戦の灯火(ともしび)なり、古(いにしえ)からの古き友よ我に仇なす全てのものを焼き尽くす炎を我が手にファイヤーボール」
と詠唱が終わるとバスケットボールくらいの炎の玉が空中に打ち上げられた。
そのまま30メートルほど上に上がり急に爆発して消えていった。
花火が一番近いものかなと感じた。
この世界に生まれて魔法をマジマジと見ることができたのは今回が初めてのような気がする、シンプルではあるがやはりかっっこいい!!俺も使えるようになりたいと胸の奥が高鳴った。
後少し思ったのだが、詠唱って・・・、
毎回あんなにかっこいいものを言わないといけないのだろうか!?
詠唱する自分がかっこ良すぎてニヤニヤしてしまう自分がいた。
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