第29話 2度目の誕生日5


やはりというか、何というか、今日の晩御飯はとてつもない量が出て来た。

猪の魔物である。ボアの丸焼きが丸々ありそれ以外にはサラダ、グラタン、ナポリタン、ハンバーグ、パンとこれでもかってくらいに沢山のものが並べられていた。


飲み物も、オレンジジュースとブドウジュースがあり(いつもはお水である)今日はワインなんかも置いてあった。


「さあ今日はシンジの誕生日だ!!派手に行こう!」

とグラムパパが言った。


そうだねと言わんばかりにいつものみんなが頷いてくれる。

ダリアママが小声で耳打ちでにこう告げた。

「シンジ何か一言みんなに言って欲しいわ!」

とのことだったので、頷いて、俺は立ち上がる。すると、みんなが視線をこちらに向けてくれた。

(ダリアママ、グラムパパ、ミーアさん、ガイさん、そしてニーア今日は本当にありがとう!!自分が忘却スキルを授かった時はどうすれば生きれるのか少し心配だったけど、皆のおかげで2度目の誕生日を迎えることが出来ました。ありがとうござういます。これからもっと面倒をかけるとは思いますが、どうかよろしくお願いします)

うむこれなら完璧だとか思っていたのでそう口にしたかったのだが・・・


「ママ!、パパ!、ミーア!、ガイ!後ニーア!!皆ありがとうすごく楽しい!!」

以上・・

何だろう、人が増えると言葉の精度が落ちるというか、個人、個人で話すときはもう少し上手く喋れているはずなのだが、一体全体どうなっているのだろうか・・?

でも、集団で話をするのは、この体では初めてであるからなのか・・なんて考えながら、そえでも皆が拍手してくれていたので、最後にお辞儀をした。


席に座ってスキル図鑑を見ていると、どうやら中級にスピーチが存在していた。なるほど、複数の人と話すのにも・・語り掛けるのにもどうやら、スキルが必要なのかと理解した。


「料理冷めるし、もう食おうぜ!!」

とガイが言った。

音頭何にしましょとか言っていてこう決まった。

実にシンプルであるが、やはり一番良いものだろう


「シンジの誕生日を祝って乾杯!!!!!!」

そう自分含め皆なで言いこの食事がスタートした。


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