第8話スキルやっと授かれます


紆余曲折を経て、赤ん坊生活一年の時が経とうとしていた。

そしてこの世界での一年目の誕生日は本当に特別なものであるそうだ。


そして俺は両親に抱っこされながら、この街の教会に来ていた。

左右対称に建てられている教会は真ん中の門上には大きな時計があり屋根は赤レンガ壁の色は白色とシンプルに纏まっており、中々壮観な物であった。


教会に入ると神父様と女僧侶が門の右側におり、軽くお辞儀をしていた。

両親も俺も軽くお辞儀して、ママが、二言三言言葉を交わす。


そして中の方に進むと中央には大きなパイプオルガンがあり中央の道には赤い絨毯が敷かれていた。

赤い絨毯の道を中心にして二列、二列で四人がけができるほどの長椅子が置かれていた、それがパイプオルガンがある壇上まで続いていた十列以上はあるだろう。


神父様と女僧侶の後をついていく、壇上横には上り階段があり壇上まで上がると。

俺を抱っこしていたママが俺を下ろす。

降ろされたところを見ると周囲には魔法陣が描かれており壇上の上で見るパイプオルガンの壮大さや煌びやかな光に驚きを隠せないでいた。(前の世界でも見ることはなかった)


女僧侶がパイプオルガンをひき始め、神父様が何やら喋り出した。最初のうちはゆっくりなテンポであったのだが、だんだんと神父の喋りも女僧侶のパイプオルガンもどちらもも早くなり始めた。

テンポを早め始めたと同時に、立っている魔法陣に黄色い光が宿り光の渦が体の高さに上がりながら俺の周りを回り始める。


この光の渦懐かしいなと思ったところで意識が何処かに誘われた











再び、目を開けるとそこには、木のテーブルと椅子が置いてあり、そこには女神見習いと言っていたフレイさんが座っていた。


「お久しぶりですね、榊原様、ずいぶんとお可愛く転生なさったみたいで安心いたしました」といい微笑みを浮かべた。


本当に久しぶりの再会の様に感じたが、こちらはあいにくと喋れない、聞けない、おまけにろくに歩けすらしない、なんて感じなのだ。

椅子をひきそこにジャンプでよじ登る。



うん!?・・・・・・うん!??


「あれ!?なんでこんなスムーズに動けてるんだ!?てか俺喋ってる??」

そんな感じで驚きを隠せないでいると


「榊原様の生前の状態に魂はなっていますので、体や言葉など意識も動かすのに支障は無いはずですよ、この空間だけですけど。」

とのこと、なるほど女神見習いが言うのだ、会話できる事の方がよっぽど価値があるので良しとしよう。


「さて、榊原様今回、御呼びしたのには、1歳児になった際、スキルを神様から頂く風習があの世界ロストワールドにはあります。その際に転生者方はもう一度担当になった女神と話をする事が出来ます。特に今回はお話しなければならない事がありまして…」

一度フレイさんは顔を曇らせ一度言葉を切ると、一度大きく息を吸い軽く息を吐きながら俺の瞳を見る。


「榊原様が今いるあの世界ロストワールドと言いますが、最近世界の魔力量が多くなり始めています。今まで魔王に属する者はおらず魔物だけがいる様な世界だったのですが、魔物の力が強くなっているところがありまして。魔王かそれに匹敵する力を持つものが現れそうなのです。ですので榊原様の安全の為にも、くれぐれも鍛錬を怠らない様お願い致します。」

とフレイさんが軽く会釈をする。


「はい、ありがとうございます。鍛錬を怠らない様頑張りたいと思います。

一つお聞きしたいのですが、魔王の強さがどれほどの物であるか分かったりしないですか?最低限基準があると、いつまでにはこのくらいの強さにすると目安が付けれると思うのですが、教えて頂けますか?」


「そうですね、多分ですが、今ある冒険者のランクが新たに一つ追加されるのではないかと言うくらいですかね・・・魔物も魔王も人も獣人も世界の総魔力量に基づきますので、力のステージが一段階上がる事になるとは考えられます。少し答えから外れている様なきはするのですが、今までとは全く違う、としか言いようがないです。」

とあの透明なコンソールに触れながら答えた



「ありがとうございます、頑張らないとですね。」

話を聴く前から手を抜く気は無かったのだが、これはしっかりと鍛錬をしなければならないと感じた。


「あ!!そうですよ!!榊原様の家族なのですが、皆頑張っておられる様ですよ、榊原様が心配なさっていた事は起きなそうなので大丈夫です!!」

と満面の笑みを浮かべたフレイさん、なんというか普段美人系であるのに意外にも笑顔の表情は幼いような感じなのはなんともモヤモヤする感じになる控えめに言って最高だった。


「お伝えしたい事は以上です。

あとはスキルの授与だけです。一つスキル図鑑、二つ共通言語、三つスキル忘却の以上です。三つ目なのですが、ランダムで一つ選ぶ事になったスキルです。もう変更出来ないので、本当に頑張って下さいね。多分ですが…結構色々…大変な事になるとは思いますが…使い慣らせさえ出来ればきっと大丈夫ですので…神様から授与されたスキルは加護ににより消えません。あ、あえていうのならばスキルが進化もしくは統合される場合はスキルが変わりますのでそこだけはご理解下さい。後は榊原様の方から質問等が無ければこれで終わりになります」

との事だった。なんというか、歯切れが非常に悪かったなと思ってしまった。


「はい、大丈夫です、兎にも角にも強くなっておく事を第一にしようと思いますのでフレイさん見ていて下さいね!!」

と少し大げさに言っておいた、正直に言ってしまえば、魔王が誕生するかもしれないという情報を知ったことが責任になったのだと思う、それだけでなく恐怖も感じていたそれゆえに強がってしまったのかもしれない。



「それでは榊原様どうかより良い再スタートがきれます様にどうか楽しんで下さいね!!」


そう言われて、はい!!と大きな声で返事をして俺は二度目の体が光に包まれるあの状態になった。







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