第7話転生つまりは赤ん坊なわけで3
俺の赤ん坊順風満帆ライフは唐突に崩壊を迎える事になる
簡単に言ってしまえば風邪を引いたのだ。
現代で言ってしまえば、大したことではなく、大人であれば
気にする事でもないのかも知れないが、今回、俺は赤ん坊なわけで…
正直本当に死ぬんじゃ無いかと思った。
風邪をひき始めた初日はとにかく寒くなった鼻水もまだろくにすするのすら自由に出来ないので、もう全部ダラダラ溢れてきた、俺自身の鼻水でベットはベトベトになり始めてベットの壁に背をついて母や乳母が来てくれるのを待った。
ぼーっと過ごし始めて30分もしないうちに母が来てくれて俺を抱っこしてすぐに慌て出したのを見ながら俺は意識を手放した。
意識を手放したのは昼頃だろうか、もう夜になっていた。体は汗でビショビショになっていてとにかく喉が渇いていた。赤ん坊の防衛本能なのかすぐに泣き始めていた。
そこで来てくれたのは母でも乳母でもなく父であった。
少し驚いた、父は多分冒険者であるためか、夜泣き時に来ることは少ないのだが、風邪を引いた今回は来てくれた。
俺を抱えて水を少しずつ飲ませた後に台所に向かった。
母と乳母が来なかった理由はすぐに分かった。
母は布切れを何枚も縫い直して居たらしく、俺達が来てすぐに立ち俺を抱えておでことおでこを合わせる父と母は軽い会話を交わして俺を父に預け、すぐに何かを作り始めた。
父は俺をいつもの子供用の席に座らせて、俺の服と桶を用意していた。
一度準備が終わった後も水を少しずつ飲ませてくれた。
父はお湯と母が縫い直していた布切れで汗でビショビショになった俺の体を拭いてくれた。
拭いてもらっている最中に母の方を見るとりんごのすりおろしとスープを持ってきてくれた。スープの中にはミンチにした鶏肉とキャベツが入っており、スープはトマトベースであり酸味の少し効いた、薄味でまとめられていた。りんごのすりおろしは少し追加でお水が足されている様に感じた。
半分ほど食べ終えた頃に乳母さんが帰ってきて牧師さん?
を連れてきてくれていた。
牧師さんが俺のおでこに手を当てて10秒ほど呟いていた。
それが終わった後体の寒さがだいぶましになり体がポカポカして眠くなってきてしまった。
次の日の朝には寒さはなく若干鼻水が垂れて来る位でほぼ元気になっていた。
様子を見にきたママに笑って手をブンブンと振る。
それに手を振り返すママは、その後におでこを当ててきて体温を確認した後、俺を抱き抱え
乳母さんやパパのいる食事テーブルに着く。
これが、俺の赤ん坊時代最大のピンチであり、本当の意味でパパとママ、乳母さん達が家族なんだと心のそこから感じた時であった。
みんなを守る為にもこの世界で強くなる。
という小さい体に不釣り合いな大きな夢が宿った。
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