第6話転生つまりは赤ん坊なわけで2
恥ずかしい日々を過ごしていく中で、この赤ちゃんの体でも成長が見られた。
首が座ったのだ、小さな成長ではあるが、これにより一つのものを見続けることが出来るようになったのだ。
前までは意識が何処かにいくとすぐに上の方にグデーンとなってしまっていたので、とても嬉しかったのだ。
この時代のおむつ事情は知っているだろうか?
当然の事ながら、紙おむつなどと言う物は存在しない。
なので、簡単に言ってしまえば、古着を赤ん坊のサイズに合わせて縫い直し何枚か用意しておいてお漏らししたらそれを洗い直し再利用するのがこの時代のオムツ事情であった。
なので、まあ綺麗なのは分かるのだが何ともいえない感情が少し湧くのは仕方ない事なのだと思いたいのだ。
首が座ってからしばらくして。
初めて食べ物を食べるれる日が来たのだ。
俺の前には魚の焼き物にパンとスープサラダとたくさんのものが並んでいた。
それを母が口に運んでくれた。
俺は思わず口お開けて食べようとしたのだが、唇に当てられただけで食べることは叶わなかった。
一通りそれを繰り返し、結局いつもの母乳を与えられて終わってしまった。
食べようとした時に何故か両親や乳母が驚いた後にとても笑っていた事がとても印象的だった。何をしていたのか当時の俺は分かっていなかったが、これがお食い初めの儀式だったのだと後日に知った。
それから1日に一回はだいぶ柔らかくした食事元の世界でいう離乳食を食べ始めれたのでこの時は泣きながら食べた。
両親は泣いているのに凄く素直に食べている我が子を見て、何が何だか分からなかった様だったが、それでも最後まで食べさせてくれた。
それからどれほどたったのか、寝てばっかしいると下になっている腕や肩が痛くなってくるので、前世の様に無意識に寝返りを打とうとした。
いつも出来ないので諦めてはいたのだが、何と遂に寝返りを打つことに成功した。
これには驚きがあった。今まで見慣れた天井のみを見続ける毎日が窓を見たり部屋の中を見たりできる様になったのである。
特に窓から見える庭や草木お隣のお家や馬に似た動物や牛など
(馬にしては胴が厚く牛にしてはやや胴が細いなど逆になっている様に感じた)
この世界の物を見ることが増えとても刺激的になった。
(この時期には声を出して笑うことは十分出来たので自分のしたいことや興味のある事は笑うことで伝える様にした)
この後に寝返りを発見され母の腕の中で家中を駆け巡ったのは言うまでもない。
そんな少しずつの成長の日々の中での事、俺の父親はどうやら冒険者で剣を扱っているらしく巨大なイノシシを担いで持って来ていたのを窓から見ていた。
(寝返りくらいなら打てる様になった)
父親の名前なのだが、聞こえているのだが処理できないみたいな、同じように発することが出来ないような、よく分からないのだが、何かに遮られているような感じを受ける。
母親も同様で名前は分からずじまいなのだが、どうやら魔法が使えるようで庭でイノシシを焼く時に手から炎を出していた。
10秒ほどだろうか、何か言葉を呟いていたらしい、窓から見ていたので口が動いていることからの推察になってはしまうのだが、どうやらフレイさんの言っていた魔法のある世界なのだろうと、実感できた。
眺めてる内に座って見る方が楽かなんて思っていたらいつのまにか座っていたらしく今度は乳母に見つけられ両親の所に連れられてしまった。
目の前でイノシシも見れたので良しとしよう。
寝返りが出来る様になったので意識のあるうちはとにかく寝返りのトレーニングをしまくったビックリするのだが、やり過ぎて筋肉痛になった事すらあった。
赤ん坊の時に筋肉痛の痛みを知るとは、流石に俺以外にはいないのではないかと思うが、
そのおかげかハイハイから立つ迄を凄く早いスパンでこなしていったと思う。
(赤ちゃんにしてはとても信じられない速度の成長だったと思う)
そんな風に退屈ながらこの世界での両親に愛情をもらい育って来た、順風満帆赤ちゃんライフだったのだが、一回だけとんでもない災難にあうことになるなんてな。
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