烏の飼い主

 俺の名前はリベルテ。自由を愛する黒羊だ。俺が昼寝から目覚めると、俺の肩に烏が一匹。開いた窓から入ってきたようだ。


「よう!昨日の烏じゃねか」


「カァー」


 俺が烏を撫でていると、ドアから声が聞こえてくる。


「すまない。ここに烏がきていないか?」


 俺は椅子から立ち上がると、扉を開ける。扉の先には泥だらけの男。男のつけたゴーグルの色が、黒いことだけはわかる。


「こいつの飼い主?」


「ああ、そうだ」


 烏は俺の肩から飛び降りる。そして、男の肩にとまった。烏は男にほおずりをして、羽を泥だらけにする。


「なあ、風呂入ってけよ!」


「……ありがたい」


 俺は男を家にあげた。

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