太陽と琥珀の違い
山の中、二人の羊休憩してる。僕の隣で寝ている羊。彼の名前はリベルテ。リベルテの瞳は閉じている。
平原から山まで、二人は休まず歩いてた。今は夜。リベルテと僕、交代しながら眠ってる。
生き物はみんな眠る。リベルテも生きてるから眠るんだ。リベルテと他の羊と違うから、リベルテも眠ると思わなかった。
じーとリベルテ見ていると、あっというまに朝がきた。
「おはようリベルテ」
「おはようムートン。みろよ、久しぶりの太陽だぜ。今日は暖かくなりそうだ」
リベルテの瞳の色。見たことがあるような気がしてた色。地面ばかり見続けて、忘れていた色。
直接見ることなんてできない。眩しすぎる太陽の色を、もしも見えるようにできたなら。
太陽の色は琥珀色。
「なんだムートン。腹でも減ったか?ちょっとまってろ」
「うん、ありがとう!まってるね」
「おう!俺に任せろ」
リベルテが川にいって、僕は休憩場所でまっている。リベルテは苦戦してるのかな。結構時間がたっている。
一人で考える時間ができた。僕は太陽に手を伸ばしてみる。太陽は生き物皆んなを照らしてるけど、リベルテとは何か違う。
同じ琥珀の色なのに、何がそんなに違うんだろう。
「またせたな!……どうしたムートン。こわい獣でもみっけたか?」
僕が考えてると、リベルテが帰ってきてた。琥珀の瞳が心配そうに僕をみている。
「リベルテ?」
「ムートンが無事でよかった」
琥珀の瞳は僕を真っ直ぐとみている。そっか、太陽とリベルテは違うんだ。同じ色だけど、違うんだ。リベルテは皆んなだけじゃない、僕のことも見てくれているんだね。
「リベルテ!僕が魚を焼くよ」
「おっ!いいのか?任せたぜ」
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