羊の悪夢

 倒れた仲間はそのままに、羊の群れは動いてく。羊の群れについていこう。僕の視界、はっきりしない。


 僕がどんな歩いても、羊の群れには追いつけない。僕がどんなに走っても、羊の群れは、ぼやけてく。


 雨が、強く激しくなって。ついに群れが見えなくなった。ふと、近くに羊の気配。よかった、僕は一人じゃない。


 羊に視線をむけてみよう。今日からおまえも群れなしだ、羊が声を口を動かして、僕を指差しそういった。


 これはきっと夢なのだ。僕が群れからはぐれた悪夢。そうだ、夢から目覚めよう。

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