群れない羊

 角のない羊が群れをなす。皆一様に雨の平原を歩いていく。片角羊を先頭に、休みも与えてもらえずに。


「もうしばらくしたら、牧場につく。それまで歩みを止めないように!」


 前方の牧羊犬の声、雨に負けない大きな声。羊の群れは疲弊中。何度、しばらく聞いただろう。


「ついてこれない羊は置いていく!」


 倒れた仲間を指差して、牧羊犬は放置する。牧羊犬のいうことを、素直に聞いてる羊達。


 倒れた仲間はそのままに、羊の群れは動いてく。羊の群れについていこう。片足前に出したとき、もう片足に冷たい何か。


 僕が地面を見てみると、倒れた羊が笑ってた。ひつじは、羊は生きていた!泥だらけ羊、僕の足を引っ張る。


「今日からおまえも群れなしだ」


 僕は悲鳴もあげられない。あっという間に、夢の中。

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