第10話 「さあ、泳ぎにいくぞ!」
バスから降りると、40代半ばの落ち着いた雰囲気の女性が出迎えてくれた。
「優香さん、お久しぶりです!」
「優菜ちゃんと友達もよく来たねぇ」
「これからしばらくお世話になります!」
代表して良太が答える。
つまり、こういう事らしい。
優菜と碧が2人で、ゴールデンウィークに優菜の父親の妹夫婦が経営しているキャンプ場にみんなで泊まる計画を立てた。しかし碧は行き場所をギリギリまで隠して、サプライズしたかった。優菜は隠し事が苦手なので、碧が1人で立案、計画をしたふりをして、旅行先も直前まで隠し通したということだ。
まんまと信じてしまったし、優菜と目の前の女の人が親しげに挨拶をしているのには驚いた。てっきり碧の知り合いかなんかだと思ったからな。
バス停から五分ほどで、目的地のキャンプ場が見えてきた。
「コテージはあっちの大きなものを使ってね。遊んだりするのは自由だけど湖で溺れたりするのだけは気をつけてくださいね」
他にも諸々の注意事項を聞き、これからお世話になるコテージへ荷物を運ぶ。
女子の荷物は男子で少しづつ持っていたのだが、それでも誰よりも進むのが早かったのは翔太郎だった。恐るべし筋肉バカ。
コテージは木造2階建ての、立派な建物だった。
1階にはロビーやキッチンなどの生活スペース、2階に寝室というつくりになっていた。
もちろん男女別々である。念のため。
し荷物の整理がひと段落したので、部屋で休んでいると、これからの予定を決めるためにロビーに集合する運びとなった。
ロビーには女子がもう集まっていて、思い思いに満喫しているようだった。俺たちがロビーに来たことで、女子も中央のソファーに集まってくる。
皆のワクワクした顔を見れば、これから何がしたいかなど一目瞭然だった。もちろん俺も今したいことなど1つしかない。
待ちきれないといった様子で口を開いたのは、良太だった。
「さあ、泳ぎに行くぞ!」
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100PV行きました!見てくださっている方々ありがとうございます。つたない文章での物語ですが、見てくださったことに感謝です。
これからもよろしくお願いします。
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