第3話帰宅とLINEと次の日の朝
「ただいまー」
「おかえりー」
我が家の家族構成は、両親と妹の楓と自分が居る。
両親は共働きなので、いつも帰りは遅い。本当に頭が下がるが、照れくさいのでそれを口に出すことはしない。
「お兄ちゃーん、学校どうだったよ?」
「上々。友達いっぱいできたしな」
「え?あのお兄ちゃんに?」
「うるさい」
「お兄ちゃんに友達かぁ...」
勝手に感慨に浸っている妹のことは無視して、部屋に入り、ベッドに飛び込む。一日で最も至福のときと言っても過言ではない気がする。あぁ、どんどんダメになっていく...通知が来ていたことを思い出し、LINEを開くと、7人のグループLINEができていた。
以下、LINEの内容。
碧 ワタクシ宮崎碧には提案があります!
優太 なになに?
海 どしたの?
碧 みんなさ、呼び方を下の名前呼び捨てに統一しない?
優菜 あおちーひどい!私の呼び方が嫌なのね!シ クシク
碧 優菜はまぁいいよ
優菜 わーい!
碧 他のみんなは?
優太 おっけー
翔太郎 いいよー
爽 おけ!
海 (犬のスタンプ)
碧 じゃ、明日からもよろしくー!
翔太郎 おやすみ〜!
碧はだいぶ攻めたな。呼び方を変えることの違和感無くすためかな。あとは一人一人のLINEを返す。碧からはドヤ顔のスタンプが送られてきた。イラッとしたので既読スルーしたら、泣き顔のスタンプが来たからおやすみ。とだけ返信した。
「お兄ちゃぁん!!起きろぉ!!」
朝から妹に叩き起される。日課の筋トレを行い、家族で朝食を食べる。
「「いただきます」」
「楓の料理の腕もだいぶ上がったね」
「お父さんありがとう」
今日は楓が当番だったのか。お母さんかどっちか分からないくらいには上達している。いい嫁になるんだろうな。
「爽ー!おはよ!」
「海。おはよ」
クラスには、まだ海以外誰も来ていないらしい。
「良太との事、皆にきこえてたみたいだぞ」
「え、ほんと?」
「うん」
海と話していたら、続々とクラスメイトが教室に入ってくる。
「お前ら〜席に付けよ〜」
須川先生は昨日のうちにスガちゃんというあだ名がついている。名付け親はもちろん優菜だ。
「スガちゃんおはよー!」
「おぉ、北村。おはよう。」
1時間目は数学だ。俺は文系なので、数学は寝るとしよう。
ツンツンツンツン
後ろからシャーペンを刺してくる輩がいる。優太だ。
「おい、なにしてるんだ?」
「不真面目な少年を寝かせる訳には行かないのだよ。」
「余計なお節介だよ」
「テスト前には教えてやらんぞ?」
優太は入試でかなりの高得点だったので、それはきつい。
「ごめんなさい優太様。私めが悪うございましたどうかお許しください」
「うむ、分かれば良いのじゃ」
これからは真面目に授業を受けよう。
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