それは日の光

 ある日の朝、あまりの明るさに私は目を覚ました。

 「眩しっ……!」

 まるで昼間かのように明るい。

 「なんなの、まったく……。」

 そう文句を言いながらカーテンを開けてみる。

 あたりはまだ暗いままだったが、ベランダにものすごく明るい球体が浮いていた。

 「なにこれ……。」

 どうやら異常なまでの明るさはそいつのせいのようだった。

 そいつはミラーボールのように回転しながら、微動だにせず明るさを放っている。


 「マジ……?」

 あたしの人生で初めての経験だった。

 これが超常現象というヤツか。

 いやはや、実際自分の身に降りかかるといささか拍子抜けである。

 「まぁ、いいや。触れんのかな、コレ?」

 そう手を伸ばしかけた瞬間、パンッという音と共にそいつは弾け飛んだ。

 「……っ!?」


 「なんなのよ!」

 そう叫んだ瞬間、辺りはすっかり明るくなり、私はベッドの上にいた。 

 「夢……だったの?」

 それもそうか。あんな訳のわからない超常現象なんかありっこないもの。

 私はホッとしつつ、時計を見ると遅刻ギリギリなことに気づいた。

 「いけない!早く準備しなくちゃ!」

 そう言って、私は日常へと戻っていくのだった。

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