第10話
「俺のステータスと桁が違う」
明らかに格上の存在だった。
自分が神様だって言われた時は半信半疑だったけれど、ちゃんと種族が神って書いてある事と、ステータスが一万越えである事をみて信じるほかないと思った。
でも実際、神様がどういう存在なのか分からない。
そして、自分の事も良く分からない。
そしてこれから自分が一人で生きて行くことは出来ないかもしれないと思った。
そこで俺は神様に
「その、もしよかったら、この世界の知識や生きるすべを教えてくれませんか?」
そう頼み込んだ。
俺は分かっていた。こんな得体の知れない犬の頼みを聞くはずなんてない、と思っていた。
しかし神様は
「ここで会ったのも何かの縁じゃ。一から教えてやろう」
そう言ってきた。
「ありがとうござ‥‥ぐ~」
お礼言おうと思ったがお腹が鳴ってしまった。
「す、すいません」
「ほっほっほ。2日間起きなかったんじゃ。仕方あるまい。食事の用意をするから待っておれ」
どうやら2日間起きてこなかったらしい。
「お言葉に甘えさせてもらいます」
そう言う他なかった。
案内された場所は一人で住むには大きすぎるほどの部屋だった。
「テーブルの上に座るとよい」
そう言われた。
確かに俺は、小さいから椅子に座って食事をする事は出来ない。不便だな~と思ってしまった。
そんな事を思っていると、奥から黒いパンとスープを持ってきた神様が来た。
食事が出されたと同時に、すぐ食べ始めた。
そして疑問に思ってしまった。神様の他に誰か住んでいるのかを、聞いてみる事にした。
「神様の他に誰か住んでいるんですか?」
「いや、わしは長いこと一人で住んでおるぞ。あとベクトルさんでよい」
「わ、分かりました」
それ以上は聞かなかった。自分の事をまだ明確に話し切れていない今、ベクトルさんのことを聞くのは失礼だと思ってしまったからだ。
食事を食べ終わった俺はベクトルさんから、この世界の知識を教えてもらう事にした。
「この世界には人間・獣人・魔人・神と言う4つ種族が存在する。そしてこの世界には大陸が大きく分けて3つある。1つ目は人間族が中心に住んでいるホワード大陸。2つ目は獣人族が中心に住んでいるナリア大陸。そして3つ目が魔人族が中心に住むフォード大陸がある。人間族と獣人族は平和条約を結んでおるから大丈夫なんじゃけど、魔人族は好戦的な奴が多くて、今も戦争しておる。そして魔人族はモンスターを操る事が出来る。そのせいで人間と獣人は段々と押されて行ってしまった。じゃがそこで神がでてくるのじゃ。神も頭のおかしい奴がいるけれど、だいたいは人間族と獣人族の大陸に住んでおる。 神の持つ神級の魔法はとても戦では役に立つ。だからみんな神には頭を下げて、戦争に出て欲しいと頼み込まなくちゃならない。ここまでが大まかな常識じゃ。分かったか?」
「はい。ありがとうございます」
そして俺はある事を聞く事にした。
それは
「神様達は人間族や獣人族の所に住んでいるはずなのに、なぜベクトルさんはこんな森の中に住んでるんですか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます