第6話

「腹が減った」

流石に水だけでは意味がない。だがまだ耐えれられると自分に言い聞かせていた。

スライムを倒してからまた3分近く歩いていた。だが森はまだ抜けられない。

「せめて食べられる物さえあれば」

そう思いながらしばらく歩いていると木の枝に赤色の木の実らしき物がなっていた。

すかさず手に取り鑑定をした。


‹チルの実›

甘くて美味しい実


「しょ、食料だー」

異世界に来て初めての食べ物だった。

食べてみると鑑定の通り、甘くて美味しかった。


木の実をお腹いっぱい食べた僕はまた森の中を歩き始めた。

またしばらくすると、遠くの方に人型で汚い布を巻いている緑色の生物を見つけた。

これも分かっていたけど念の為鑑定することにした。


‹ステータス›

種族→ゴブリン

レベル→8/15

HP→100

攻撃力→75

魔力→50

速さ→100

スキル→剣術1/10


「剣術ってスキル持ってる!」

まだ僕は魔法系のスキルしか持ってなかったけど、この世界にはまだたくさんのスキルがある気がしてならなかった。

でも犬である自分が剣術スキル持ってることはないけど他のスキルが欲しくてたまらない!あるかどうかわからないけど。

それより前の敵をどうやって倒そうか考えていた。

まずは観察しようと思い周りをよく観察していた。良く見てみるとゴブリンは右手にかなりさびている剣を握っていた。いくらさびているとはいえ当たったらいたそうだ。どうやって倒すか考えていた時、ある物が目に入った。

それはゴブリンが巻いている布だ。

布だったら火を付ければ良く燃える。そう思った僕はすぐ火初級魔法を打つため狙いを定めた。そして

「ファイアボール」

段々と火の玉がゴブリンに近づいて行き、布に当たった。

ゴブリンは「ゴアァァ~~」と叫びながら燃えて行った。

やがて力尽きたように横に倒れて光の粒子になって消えた。

僕はすぐレベルを確認するため、ステータスをすぐ確認した。


‹ステータス›

名前→リツ

種族→フェンリル

レベル→10/∞

HP→200

攻撃力→150

魔力→200

速さ→250

固有スキル→時空魔法・鑑定・成長速度100倍・言語理解

スキル→水初級魔法・風初級魔法・火初級魔法


意外と上がっていた。レベル10になってもスキルは変わる事はなかったけど、ステータスの数値が上がるのはいい事だ。

ふと魔石のサイズはどれくらいかなっと思い近づいた。

大きさは大体スライムの魔石のほんのちょっぴり大きい版だった。

確認し終えてそこから離れようとした時凄く大きい足音が聞こえてきた。

「ドン!ドン!ドン!」

その音は次第にこちら近づいてきている様だった。

僕は逃げようとしただけど体が動かない。

「ドン!」

その音はちょうど僕の真後ろで止まった気がした。

恐る恐る後ろに振り向くと体長3メートルくらいのある巨大な赤い熊が出てきた。

「グアァー!」

その熊はそこで大きな声で鳴いた。





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