第5話

僕はひと通り鑑定し終えたところに

「ぐ~~」

とお腹が鳴ってしまった。食べたくても食べられる物もない。ここはまだ森の中だ。たとえ人を見つけても、恐らくモンスターと思われて攻撃されてしまうだろう。

まあモンスターだけど。

言語理解で話しても、まともに聞いてくれるとは限らない。

しかしいつまでたってもここにいては無駄だと思って、森を出る事を決意した。

近くにある水を鑑定してみた。安全な水と書いてあったのでお腹いっぱいに飲んでから歩き始めた。犬の歩き方も意外と自然にできる。理由は分からないけど。


歩き始めて3分と言うとこで、ある生物を見つけた。

まんまるの透明な水の塊がちょびちょび動いていた。

まあ大体は分かるけど一応鑑定してみた。


‹ステータス›

種族→アクアスライム

レベル→4/10

HP→50

攻撃力→15

魔力→20

速さ→10

スキル→水初級魔法


「やっぱりスライムだったかー」

定番のスライムを前にしてあることを思いついた。

「魔法の訓練台にしよう!」

鬼畜だと言ってくれてもいい!

とりあえず相手がこちらに気づいてないうちに倒す事にした。

相性があるかどうかは分からないけど、スライムに向けて

「ウィンドボール」

風の初級魔法の名前を言ってみた。

ウィンドボールはまっすぐいってスライムに直撃した。

当たった瞬間ウィンドボールはなくなってしまった。だがその時

「え?」

スライムが光の粒子になって消えた。

「なるほど。モンスターを倒すと光の粒子になって消えるのか」

これで生きてるか死んでるかの区別はしやすいけど。

しかしスライムの死んだ場所には紫いろの小さい石が転がっていた。

「何だろ?」と思いつつ鑑定してみると


‹魔石›

モンスターを倒すと手に入る。

大きいほど価値が高い。


「なるほどー」

まあでも価値が高いとか言っても売る場所ないし、利用価値もないと分かったのでとりあえず放置する事にした。

そしてもう一つ気になった事があった。自分のレベルである。凄く弱いモンスターとはいえ、自分より強いモンスターを倒したんだからレベルが上がってもいいんじゃないかな?と思いつつステータスを見る事にした。

頭の中で強くイメージすれば、声に出さなくてもいいと分かっているので頭の中でステータスと唱えてみた。

そこに半透明なボードが出現した。

恐る恐るボードを見るとこう書いてあった。


‹ステータス›

名前→リツ

種族→フェンリル

レベル→6/∞

HP→160

攻撃力→110

魔力→160

速さ→210

固有スキル→時空魔法・鑑定・成長速度100倍・言語理解

スキル→水初級魔法・風初級魔法・火初級魔法


「おー」

以外と上がっていた。

「4レベを倒して1レベから一気に6レベまで行くって事は、成長速度100倍が付いてるおかげだな」

そう思った。







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