第三章◆強襲 4
本当に、なまったわね。
ゴブリンキングと剣を交わせながら、自らの身体の重さに
──落ち着くのよ、
自分に言い聞かせながら時間を
流石レグルス、ゴブリンロードは三
「ミラ、待たせたな! 作戦通りに行くぞ!」
「ふふ、分かったわ!」
私の剣撃に加え、ゴブリンキングが剣を振りかぶる瞬間を狙いすました『
「コロス! コロスコロスコロス! 『ゴブロニア・オーラ』ァァァ!!」
ゴブリンキングは
ゴブリンキングと私は同時に剣を振り上げた。
元より力で
「シネェェッ!!」
「『
ゴブリンキングが剣を振り下ろす瞬間、レグルスが放った
「我らが光、天を
眩い光を纏いし一閃は、ゴブリンキングを包み込んだ。
「ハァッ……ハァ……」
「ゴ……ゴブァ……」
『
「これで終わりだ。『
「ゲギャギャッ!!」
ゴブリンマジシャンの
「なんだと!? クソッ! 『
レグルスは直ぐ様『
「ニンゲンヨ……イツカネダヤシニシテヤル……タノシミニシテイロ……」
ゴブリンキングは水晶と共に黒い
■
『
高速化に特化した
きちんと使えて良かった……。
魔力効率度外視で術式を組んでいたから消費魔力は
「シリウスくんっ!!」
「シリウス!」
「シリウス様ァァァァ!!」
ララちゃんとグレースさん、ジャンヌさんが凄まじい勢いで
「……心配お
「シリウスくんッ!! 信じてたけど、信じてたけど心配だったんだからっ!!」
僕がゆっくりと起き上がると、ララちゃんが
「うぅぅ……シリウスくぅん……無事で良かったよぉ……」
僕の胸に顔を
「ララちゃん……心配かけてごめんね」
そうしていると、ふと凄く
「シリウス様ッ!! 格好良すぎですわ……うぅ、ララさん! そこをお代わりなさい!!」
「シリウス……確かにあんたはおかしいくらい強いけど、一人で無理しすぎ!! バカじゃないの!!」
「シリウス様……あの、さっきはありがとうございましたッ! わ、私、
ララちゃんを引き
なんだこのカオス状態!?
そんな僕らを
「
「ほんと、ありえねーほどの魔術の腕前だったな……」
「いや、剣術も半端なかっただろーが!」
「ほんとに助かったぜ、小僧がいなけりゃ村民を皆無事に
次々に僕の頭をポンポンと
「シリウスー! ありがとう!!」
「小僧ー! かっこ良かったぞー!」
皆も僕の
しかし、父さんと母さんは大丈夫だろうか……。
──ブワッッ
二人を
「
立ち込めていた暗雲が
「父さん、母さん、やったんだね……」
先ほどまで
そこへ、裏山から一人の狩人が駆け下りてくる。
「勝った、勝ったぞぉぉぉ!! ミラさんとレグルスさんがゴブリンキングをやっつけたぞぉぉ!!」
「「「「ウォォォォォ!!」」」」
勝利の
しかしあれだけの魔力を放っていたゴブリンキングを倒すなんて……。そろそろ追いつくかなって思っていたんだけど、まだまだ二人には
やっぱり二人は、僕の永遠の目標だ。
魔物の
「……シリウス、何をしているの?」
「二人とも、お帰りなさい! 無事にゴブリンキングを倒せたみたいだね、本当にお
僕が答えると、二人は目を
「な、取り
母さんは山積みにされた
「……
「ハッ! 私がさせていただきます! 裏山にレグルスさんの魔術が見えはじめて
「ッ!? ゴブリンロード……で、その後は?」
「ハッ! シリウス君が
「ゴブリンロードを一人で倒したですって……?」
父さんと母さんは狩人衆の報告を聞き、何やら
「……シリウス、家に帰ってから
「うん、分かった」
また色々と聞かれるんだろうなぁ……。よし、『
■
──カンカンカンッ! カィンッ!
教会近くの広場に
「集中が
「ヤァッ!」
「雑に剣を振らない! そんな大振りじゃただ
「二人ともがんばれー!」
放課後、あの事件の後から日課となっているルークとグレースさんの剣術指導を行っていた。二人同時にかかってきてもらうことにより、僕自身も対多人数戦の
鍛錬が終わりボロボロになった二人を、ララちゃんは
感知した魔力の移動速度からして、
僕が生まれてから馬車なんかがこの村に来たのは初めてだと思う。こんな
一体誰が何をしに来たのか気になるし、見に行ってみるか。
「ごめんなさい、ちょっと用事があるから今日はここまででお願いします」
「おぉそっか、今日もありがとな! グレース、まだ時間あるし少し打ち合わねぇ?」
「……仕方ないわね、付き合ってあげるわ」
「シリウス君、またね!」
「うん、また明日!」
皆と別れ、軽く
いつもの帰宅ルートを
……馬車ではなかったのか。まぁ
『
意を決し、気力を纏いつつ三人に近づいていく。僕の気配を感知したのか後ろの若い二人がバッとこちらを向き、剣に手をかけるが僕が子どもであったせいか
一方髭を蓄えたダンディなおじ様は
「失礼いたします。僕はこの家の住人なのですが、冒険者ギルドの方々が当家に何か
三人と玄関の間にスッと
「
いきなりの
「こちらこそ、失礼いたしました。私はレグルスとミラの息子のシリウスと申します。父を呼んで参りますので少々お待ちください」
僕がドアを開けると、父さんが玄関へ歩いてくるところであった。
「オリヴァーさん! お久しぶりです。まさかわざわざこんな辺境の村にいらっしゃるとは……どうぞお入りください。シリウスも応対ありがとうな」
父さんは気さくにオリヴァーさんを家に招き入れ、わしゃわしゃと僕の頭を
「お
「「お邪魔いたします」」
オリヴァーさんに続き、若い男性と女性の剣士が軽く
「はは、
オリヴァーさんと向かい合って座り、二人にも席を
「ふむ、本当に子どもとは思えないほど良くできた子じゃ。中々
お茶を一口
「俺らの子ですからね。この間の
「「なっ!?」」
父さんの
「両親の教えのお
あれは『
「ほっほっほ……それは大したものじゃ。最近の若い者は
「オリヴァーさん、シリウスはまだ七歳です。
「ふむ……レグルス君とミラ君のもとにいれば才能が
「ありがとうございます。まだ将来のことは分かりませんが、もし冒険者ギルドにお世話になる時はよろしくお願いします」
オリヴァーさんにそう返すと、満足そうな笑みを浮かべながら
その後、母さんが帰宅した後の会話を聞いていたが、ゴブリンキング騒動についての話をしに来たようであった。
「追い
「はい。しかも転移石を持っているというのも普通では考えられません。これだけで断定はできませんが、これは
「魔王……じゃな……」
魔王……前に読んだ父さんの本によると、百年
「前回の魔王発生から九十八年じゃから、時期的にもほぼ確実じゃろうな。魔王の力によってゴブリンが急速に成長してゴブリンキングが発生したのじゃろう」
「念のため警戒態勢は取っておりましたが……やはりそうですか……」
「うむ。引き続きこの地域はミラ君とレグルス君に任せるぞい。シリウス君も鍛錬を積んで
チラリとこちらを見ながら笑みを深めるオリヴァーさん。
世界を見て回ると考えると冒険者くらいしか
父さんと母さんからの報告を聞いたオリヴァーさんたちは、急ぎギルド本部に報告するために
「さて、シリウス。魔王の影響で魔物が活性化しているのは、ある意味都合がいいわよ。あなたの
魔王復活がほぼ確実となったことにより一層厳しさを増した二人の鍛錬は、転生前の会社の
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試し読みは以上です。
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の試し読みとなります。
※本ページ内の文章は制作中のものです。実際の商品と一部異なる場合があります。
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