第2話 金時草は東南アジアに住んでいる


 自己紹介的な導入を。


 わたくし金時草は日本人ですが東南アジアに住んでおります。まぁ国や都市名は敢えて書きませんが、今後普通に出てくると思います。あと、現地採用なのか駐在員なのかも敢えて言及しませんが、一応働いております。


 エッセイの主題的に「意識低い系外国在住日本人の本音」が飛び出すことが多いと思いますので、何の参考にもなりませんことをご了承ください。


 さて、目下わたくしの住まう某国では政情が不安定なのが悩みの種です。ただ、今に限ったことではなく、もうずっとクーデター>軍政>民主政権>汚職腐敗>クーデターのループを繰り返している残念な国です。


 正々堂々と選挙をすると貧困層や農民層からの支持が多い政党が政権を取ってしまい、それが支配層(所謂お金持ち層)からのウケが悪いので、なんやかんやと|いちゃもん《・・・・・)を付けられたりします。その結果が政権転覆であり、今日の軍政(正確には選挙を経ているけど……まぁお察し)に繋がっているわけですね。


 もう、ここまで書けばお分かりかもしれませんが、わたくしの場合、外国人で参政権は持ちませんが、心情的には貧困層や農民層の立場を是としております。これは私の嫁さんがその層出身だからです。


 ただ、昨今の学生が主体となったデモ活動については懐疑的です。「国王制」に一石を投じるようなことを言っていますが、石を投げるには相手がデカ過ぎで、かつ自分達は小さ過ぎます。これでは大した事をする前に、適当に火消しをされて、


「ああ、そんな事も有ったけど、この国にはやっぱり王様が必要なんやぁ~」


 で終わってしまいそうですね。巨大なアヒルを掲げてデモしている場合じゃありません。結構深刻だと思います。


 しかしながら、そんなデモ隊の一部は最近話題となっているミャンマー問題にも批判の矛先を向けている様子。


「おいおい、君達はそっちじゃないでしょ~」


 と言いたいところです。というのも、ちょっと前まで学生デモ隊は、熱心にミャンマー大使館を包囲して大声を上げてました。結局、溜め込んだうっ憤をぶつける相手は誰でも良いのかもしれません。勝手な感想ですが、一時期に比べると、随分デモは勢いを弱めたのかな?


 残念だけど、これがこの国の限界。


2021年3月

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