第38話 危機
娘の死体を、乗用車のトランクから引きずり出させる。一瞬、パトカーのサイレンの音が聞こえたような気もしたが、気のせいだろう。
道路側から見えないよう、乗用車とライトバンで作った死角に娘の死体を横たえさせる。併せてカメラをセットさせた。
信号機が近くにあるらしく、道路を通りかかる車の動きは規則的だ。その間を読めば、目撃されることなく相当のことができそうだ。
部下の一人に、ダンプカーに行けと指示をする。
さっさと済ませて、新潟に向かわねばならない。
ダンプカーのエンジンがかかった。
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