攻略開始後篇

悪食:なんでも食べられる。胃も強くなる。


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「うっす、内容薄すぎません? ぺらっぺらですよ。なんですかこれ」


 新しいスキルが手に入ったから確認したらこれですよ。


「うーん、なんでも食べられるのは嬉しいですね。」


 そう呟きながら、洞窟内を進んでいくと広場に出た。


「ん? ようやく広い場所に出ましたね。」


 ある程度進むと壁に青い炎が幾つも出てきて入ってきた入口も炎で塞がれる


「なに!? いきなりどういうことですか!?」


『最終エリアに入りました。ボスを撃破してください』


 すると、目の前に現れたのは


「え……うそ……?」


 そう、現れたのは自分だったのだ。だが違う部分はある、髪の毛が白く来ている服が巫女服なのだ。けど


「武器を持ってない……?」


 溟は戸惑いを隠せないがすぐに【鑑定】を発動する





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桜井溟?


レベル5


HP:100/100


MP:50/50


スキル


痛覚耐性 恐怖耐性 悪食 武器庫 


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(レベル5!? 私より3高い、ということはステータスにも差があるということなる……死ぬんじゃないですかこれ)


 考えがダメな方に向き始めていたその時


カチャン


目の前に何かが落ちる音が聞こえた、下を見ると


(かたな?)


 落ちていたのは一本の刀、装飾はされていない黒い鞘に納められた刀。溟はそれを拾い鑑定する。





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鋼の刀:鋼で作られた刀


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 目の前にいる溟? を見る


溟? は白い鞘を持っておりすでに抜き身で構えている。表情は見えない髪で顔が隠れているからである。


溟も刀を抜き両手で構える


(刀なんか振ったことないけど、それは向こうも同じのはず)


 震える手を刀を強く握ることによって抑え、溟? を見るとすでに近くまで来て刀を振り下ろそうとしていた。








ガァンッ!!


(く……おっもた……い)


 何とか防ぎ数秒の鍔迫り合いになったが突如顔に衝撃が走り視界がぶれる


ドカッ!!!


(??? ……何……起きたの)


 溟? を見ると左手で持っていた鞘が振り抜かれた状態で硬直していた


(二刀流……ずっるいなぁ)


 何とか倒れずに体制を整えるが、体がふらつく


「や……ばい」


 すでに、溟? は硬直が直り刀を横に振ろうとしている、溟は直撃を逸らそうと構えるが


パキン、グラッ、ザシュ、バタン


刀は折れたが直前体が後ろに傾き前髪と一緒に顔に横一線斬られ倒れる


(かお……きられたけど……まだ……いきてる)


 揺れる視界、斬られた部分が熱い、体が重たくなってきた


(いき……た……い)


 そう思い体を起こすが立ち上がれず座り込んでしまう


(なんで……たてないの)


 泣きそうになる、いや、泣いていた


涙で地面にシミを作る、そこに黒い影が覆う、見上げると溟? が刀を振り上げていた


(わたし……しぬの?)


 刀が天井に向いた


(いやだ)


 ゆっくりと加速し溟目掛けて


(わたしは……生きたい!!)


 そして











ザシュッ!!!







 溟の左肩から胸元まで斜めに切り裂かれる


刀は背中まで刀身が出ており血があふれている


溟? が刀を抜こうとした瞬間








ガシッ


死んだはずの溟に右手を掴まれた





グッ


引っ張られバランスを崩し前に倒れる、そして





ザシュッ!!


右手に持っていた短・剣・で首を切り落とされた

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