攻略開始前篇

「武器庫?どんなスキルなんでしょうか?」


 どんなスキルか確かめる為に触ると





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武器庫:武器の出し入れ可能、防具不可(0/∞)


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「……強いの……かな?」


 武器しか入らないスキル、使い方によっては良いのかも知れないが現状では分からない。


「とりあえず先ほどの短剣を仕舞えるが確かめましょうか」


 短剣を手に持つが、ふと考えがよぎる


(どうやって仕舞うのでしょう?……武器庫に入れる事ですから【収納】ってことでいいのかしら?)


 そう考えていると、手に持っていた短剣が光の粒子となり溟の体の中に入っていった


「!!? 消えたって事は収納出来たって事? てことは取り出す時は【短剣】って考えたら」


 光の粒子が集まり溟の手に先程の短剣が現れる


「やっぱり、でも短剣だけなら仕舞わずに手の持ってたらいいですよね」


 短剣を右手に持ち、カバンを左肩に掛けて移動する事を決める


(さて、何時までも此処に居てもしょうがないから先に進んで一刻も早くクリアしないと)





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 洞窟を歩く事数十分


(曲がり角もなくずっと一本道だけど、どうやったらクリアになるんでしょう。今のところ化け物にも遭遇してませんし、ずっと歩いているだけだと気が可笑しくなりそう)


 すると、ポヨン、ポヨン、と音が反響して聞こえてきた


(この音は、こっちに近づいて来ている? でも、気が抜けるような音ですね)


 意識を切り替え前方を警戒すると、薄水色半透明の丸っこいモノが近づいて来た。


(何この丸いの、確か鑑定をしたら調べたいことが解るって書いてありましたけど)


「【鑑定】」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スライム


レベル1


HP:10/10


MP:10/10


スキル


強酸


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(あれ? HPとスキルは解るけど、その他の情報が書かれてない)


 そうなのだ、自分のステータスは細かく書かれているのに鑑定ではそこまで詳しく書かれていないのだ。


そう考えれいると、スライムが液体を吐き出してきた、警戒していたとしても溟は普通の女子中学生だ。スポーツ経験は無いに等しい人間が攻撃された瞬間に避ける事は難しい。攻撃された事に気付き大きく右に避けたとはいえ左手首に直撃してしまった。


「冷た! 今の水鉄砲が攻撃? にしては弱いですね」


(スライムの中に丸っこい石がある、あれが弱点でしょうか)


 素早く近づき右手に持っていた短剣をスライムに刺す。抵抗も無く短剣は石に刺さり二つに割れスライムは溶けて赤い石を残し消えた。


「すんなり倒せましたね、赤い石って事はランダムスキル水晶でしょうか」


 落ちている水晶を拾おうとすると


「……あれ?」


(左手がない、どうして?)


 後ろを見ると、地面に煙を出している左手があるのを見つける。


痛覚耐性のせいで痛みが鈍くなり、左手が落ちた事に気が付かなかったのと、恐怖耐性で手が無くなる事が怖くなくなり、溟は左手がない事の違和感だけ感じるだけだった。


「左手が違和感しか無いとして、スライムの水鉄砲当たった時、水じゃなくてスキルの【強酸】だったのですね」


 短剣を武器庫に収納して、左手を拾い断面に合わせると骨が癒着し手を放しても落ちない事を確認すると先程のスキル水晶を拾いに行く


「スキル水晶でしょうけど、一応【鑑定】」


【ランダムスキル水晶】飲み込むことにより、ランダムでスキルを強制習得


(やっぱりね、さて次は何のスキルが手に入るのでしょうか)


 溟はスキル水晶を口に入れ飲み込む、すると頭の中で


『スキル【悪食】を習得しました』


 また変なの手に入れてしまった

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