朝が目が覚めたら俺のナニが咥えられていた件!

琴乃葉 ことは

至福の朝

 スマホのアラーム音がやけに近くから聞こえ、思わず顔を顰める。しかし、なぜかその音は次第に遠くなり、暫くするとまた眠っていいというように音が消えた。

 だれかが止めてくれたようだ。


 これで寝れると意識を手放そうしたが、今度は強い快感の水音に脳を痺れさせられる。


 何事かと、重い頭だけでも持ち上げれば、そこには俺の”ナニ”を優しく舐めとる小柄な少女がいた。長いロングヘアーが掠って、新たな刺激に腰が引けそうになる。

 舌をぺろりと出して、いたずらが成功したと笑う彼女は当然俺の知人。

 西崎加奈。クラスメイトであり俺の恋人である



「おはよ......」


「おはよう」


 寝起きで掠れ声の俺とは違い、何処までも響くような鈴の音に頬をほころばせる。上機嫌に笑う彼女は、いつものようにやはり愛らしい。


「えっと......これは......?]


「さあ、なんだろうね?」


 あくまで答えるつもりはないらしい。その証拠に答えてくれるはずのその口は、既に俺のモノでいっぱいになっている。俺が起きるだいぶ前から始めていたのだろう、下半身には彼女の落とした唾液が、点々と艶めかしく輝いていた。

 朝にこの刺激は少々強すぎる。


 俺はちょっとでも長く持たせようと必死に思考を逸らし、からかうように質問を続けた。


「昨日あんだけしたのにまだヤリ足りなかったか?」


「ひがうし!」


 口をもごもごさせながら、声を大にして強めの否定を返してくる。暗に欲求不満と揶揄された彼女はご立腹のようだ。

 ただ朱色に染まった頬を見れば、案外的外れというわけでもないらしい。

 そういうところが、また可愛い。何度だって愛せるだろう。


 だがそれよりも緊急事態だ。彼女の口に含みながら喋ったせいで一気に快感が込み上げてきている。それが彼女にも伝わってしまったのだろう。

 目を細めて笑う彼女が一層強く俺の陰茎を吸い上げた。


 あとは時間の問題だった。


 ぼうっとする頭を振るうが、暫くこの快感は抜けそうにない。心地よい虚脱感とともに果てしない幸福感が胸の奥底から溢れてくる。幸せがなんだかむず痒かった。


 そんなことを考えていると、俺に身体を預けた彼女の顔が、目の前に迫ってくる。目を瞑り、安心したような表情にドキリとさせられた。

 キスでもしようというのか。ほんとにそういうところが愛おしくて仕方ない。


 しかし、その寸前で行為を終えてから一度も開いていなかった小さな口をめいいっぱい開ける。舌の上には俺が出したはずのものが乗っていた。

 彼女はその白濁を見せながら、舌っ足らずな声をあげる。


「ヤヒ足りらかったのは、ろっち?」


 瞳を再び開け、勝ち誇ったように妖艶に笑う彼女から俺は目が離せなかった。気付けば、身体は首に絡まれた細い腕で身動きで取れなくなっている。


 なるほど、これが二度おいしいというやつか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

朝が目が覚めたら俺のナニが咥えられていた件! 琴乃葉 ことは @kotonohakotoha

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ