第26話 夜

「なんか今日の夜ご飯は豪華だな?」


「はい!先輩に隠し事してましたし、お詫びもかねて気合い入れました!」


「別に言う必要がない事もあるだろ?気にしてない。」


喫茶店を出た俺たちは、家にて夜ご飯を食べていた。


「先輩好き嫌いとか無いですよね?お部屋もわりと綺麗だし出来ないことあまり無いし、女子としては尽くし甲斐が無いんですけど…」


「そんな事ないぞ?1人の時は特に何もしないし、食べれりゃ何でもいいし。作ってもらったご飯の方が美味いからな。」


「…それならよかったですけど、さりげなく昔のお、ん、な、の影出すのやめて下さい!今は私がいるんですから!」


「うわぁ…めんどくさ…」


「きー!そう言うこと言う人はご飯無しです!」


「失礼しました奈々香様。僕には奈々香様だけです!」


「よろしい!…ふふ。それじゃあ食べましょう!」


「ふっ…いただきます。」


俺たちは笑い合うと、手を合わせご飯を食べ進める。


「先輩!お風呂お先にいただきました!食器洗いありがとうございます。泊まらしていただいてるんだから私がやったのに…」


「持ちつ持たれつだろ。ん?すっぴんも可愛いな。そりゃメイクしてあれだけ可愛ければそうか。」


「…いきなり口説くのやめてください。でも嬉しいですし、その反応は120点ですけど…女慣れしてるので減点100です!」


「えー…常に減点じゃねえか。褒める時はストレートに。褒められた時も受け取る。お互い幸せじゃね?」


「冗談ですよー。その考えが出来る人は少ないです。さっ!先輩もお風呂どうぞ?」


俺は奈々香のその言葉に微笑みつつ、読んでいた雑誌を置き風呂場へと向かう。


「なあ?ほんとに一緒に寝るの?布団あるだろ。俺の事警戒しなすぎじゃない?」


「泊まってる時点でいいじゃないですか!ベッドで寝たいですし、落ち着きますし。おっぱい揉んでるしいいじゃないですかー。」


「だから不可抗力だって。まあ、今時一緒に寝るぐらいよくあるか。あまり気にするのもあれだな。」


「そうですよー!って言っても、先輩はどうか知りませんけど私は先輩だからですからね…?」


「信頼には応えるよ。んじゃもう寝るぞ。明日朝からバイトだから。」


「…ねえ先輩。…ちゃんと触りますか?今なら寝相が悪かったで済ませてあげますよ…?」


「…ばか。俺も男だ。自分から手を出したら我慢出来なくなる。そう言う関係にはなりたくない。添い寝は目を瞑ってやる。」


「…やっぱり先輩は手強いですね。そしたら私が抱きつくのも目を瞑ってくださいね?せっかくの添い寝ですし…おやすみなさい先輩。」


「…あと一応言っとくけど、寝てる時に変なとこ触ってたらすまん。おやすみ。」


「むしろ触ってもいんですよ?先輩?」


「早く寝ろ…」


「はーい。」


そう言い、笑い合った俺たちは眠りにつく。背中にあたる奈々香の胸に耐えかねた俺は、奈々香の方へと振り向き、あえて奈々香を抱きしめる形で寝る事で興奮を沈める事にした。

少しすると聞こえてくる奈々香の寝息を聞き、頭を撫でながら俺も眠る。

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