第23話 花見
「へー!大学の隅っこにこんな綺麗なところあったんですね?この大学でかいですもんねー…小川もあるし。」
「農学部や獣医学部もあるからな、探検してみるといろいろあるぞ。とりあえず友達からいろいろもらってきたからKPするか?」
「そうしましょ!てか先輩、このサークルほんと自由なんですね?」
「まあメンバーほとんど男だし、自由に楽しくがモットーだからいつもこんな感じだぞ?上下関係も対してないし教授とかも普通にいるからな。」
「お疲れ紫音。この間はありがとう。ん?ああ、その子は紫音の知り合ったって言う後輩ちゃんだね?よろしく。」
俺たちが小川の近くでのんびりしていると、ヒデが声をかけてくる。
「よろしくお願いします!先輩のお友達ですね?菊一奈々香って言います!今日は暇だったんで、勝手について来たんです…」
「うん。元気があっていい子だね?俺は澤村秀明。紫音とはこのサークルで仲良くなってよく絡んでるよ。菊一さんの事は紫音からちょろっと聞いてるよ。話してみたかったんだ。」
「えっ!先輩私の事話してくれてるんですか!?嬉しいですけど、変なこと言ってないですよね?」
「馴れ初めを話しただけだ、ヒデはいろいろと目ざとくてな。」
「そうですか…澤村さんは先輩とは結構付き合い長いんですか?」
「うん。1年からの付き合いだし、今の俺の彼女も紫音から紹介してもらったし、なんだかんだ紫音は何でも出来るから頭が上がらないよ。」
「確かに先輩って意外とハイスペックですよねー!彼女さんは同じ大学なんですか?」
「いや、別の大学なんだけど、紫音と同じ高校でね?紫音の仲の良い友達がいて4人で飲みに行った時にね。ところで菊一さんは紫音と半同棲してるんでしょ?紫音は自分のことは無頓着だから面倒見てあげてね?」
「おい。いろいろと語弊があるぞ。間違っていないのが腹が立つが、まあ家が目の前だからたまに一緒にいるってだけだ。」
「はい!先輩の事は私に任せて下さい!先輩は私を助けてくれましたし、今は私が先輩の事支える番なので!…元カノの事とか…あ!飲み物とってきますね!」
そう小さく呟いた後、奈々香は飲み物をとりに俺たちから離れる。
「いい子じゃないか紫音。島津さんとはタイプが全く違うけど、明るくてよく人を見ている。紫音が付き合ってないのに鍵を渡すって事はそういう事なんでしょ?」
「琴奈は関係ないだろ。奈々香の明るさに救われてる部分もある。元カノの事なんて別れたぐらいしか言ってなかったんだが…」
「まあ島津さんの事は菊一さんには黙っておくよ。隠す事でもないと思うけど、女の世界は怖いからね。」
「いずれは会う事もあるだろうが、どっちも今の俺にとっては大事な友人だよ。間違いはないし、お互い持ちつ持たれつだからそれでいいのさ。」
「間違いがない?おっぱい揉んだのに?」
「…あれは不可抗力だ。」
俺はヒデの鋭いツッコミにその言葉を返すのが精一杯だった。
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