第20話 喫茶店
「ここの喫茶店気になってたんだよなー。コーヒーも軽食も美味いし、1人でも来れそうだし、当たりだな。」
とある日の午後。俺は授業が夕方までだったため、前から気になっていた喫茶店にてコーヒーを飲んでいた。帰るには早いし、琴奈やヒデはバイトでいなかった。
「んっ…?紫音じゃん!久しぶりー!今日は1人なんだ?ご一緒してもいい?」
「おっ?観月か。久しぶりだな?あの時の飲み会は変な空気にして悪かったよ。」
「あー…あれねー?こっとから事情は聞いたけど、結構紫音って過激派なんだね?こっとはそりゃ怒ると思うけど、私は凄いなーって思ったよ?」
「そりゃどうも。観月はここの喫茶店よく来るのか?気になってたから思いきって来たけど、いいとこだな?」
「うん。課題ある時とかはよくね。家だと集中出来ないし…こっとから聞いたけど紫音頭いいらしいね?わからないところ教えてー?」
「学部が違うから分からんけど、俺が力になれるのなら。この間のお詫びもあるしな。」
「やったね!お詫びといえばさ、私気になってるお店あるんだけど、1人じゃいけないし彼氏もいないから下見も兼ねて付き合ってくれない?映えるし。」
「結構積極的なのな?まあそういう事ならいいぞ?琴奈でそういうのは慣れてるし、俺も彼女いないし女友達が増えるの嬉しい事だしな。」
「2人はほんと仲良いね?一応聞くけど、ほんとに付き合ってないんだよね?」
「よく聞かれるが、俺とあいつは親友だよ。
その関係だからこそ下手なカップルより仲良くいられるんだと思うぞ?お互い彼氏彼女いる時も普通にあるし、なんなら俺は最近まで彼女いたし。
観月は彼氏いないんだな?モテそうだが…」
「そうなもんかなー?てか紫音別れたばっかなの!?理由は…聞かない方がいいよね?
こっとが紫音以外の男と仲良くしてるのって想像つかないなー?私は今は大学楽しいし、いい出会いがあればって感じかなー。」
「あいつ、外面いいからモテるだろ?見た目もいいしそれは認めるよ。まあ俺は大した理由じゃないから飲みに行った時にでも話すさ。」
「それじゃあさ!今日バイトないんだよね?善は急げで今日行かない?もっとゆっくり話したかったし18時に繁華街の駅集合にしようよ!」
「いいぞ。それなら駅までバイクで送ってくぞ?
2人乗りが嫌じゃなければ。」
「紫音ならむしろ大歓迎!バイクの2人乗りってちょっと憧れだし…いろんな女の子そうやって乗せてるんでしょー?」
「そこまで俺は女の子の友達いない。嫌なら俺は先に行くぞ?」
「冗談だから乗せて下さい紫音さまぁー!」
「ふっ。はいよ。」
そう言い、可愛くおどける観月を見て、俺は自然と頬が緩む。
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