第19話 4人

「こうして4人で飲むの久しぶりだな?ヒデと琴奈には会うけど、雛に会うの久しぶりだよな?」


「そうね。雛、元気にしてた?インスタでは見てるけど。」


「ん。元気。こっととしーくんも元気そうでよかった。ヒデちゃんずるい。」


「おいおい。別の大学なんだから仕方ないだろ?言っても俺は紫音にしかほぼ会ってないぞ?島津さんとは学校で接点ないし。」


愛莉さんとの一件があってから数日後、予定通り、俺たちは4人で飲んでいた。


「時にお二人さん。旅行の件1.2でいいのか?いいなら予約取るぞ?」


「4人で旅行楽しみ。」


「俺たちはオッケーだぞ?たまたまバイト休みだったし、旅行は好きだからな。」


「そうね。ところで…部屋割りなんだけど、澤村くんと雛は同じ部屋なのよね?私は紫音と一緒って事かしら?」


「ん。こっととしーくんは仲良いし。問題ない。」


「俺と雛乃ちゃんは2人で楽しむところもあるから、実際ご飯の時と飲むの時ぐらいしか4人でいないかもな?」


「そうなるよな。まあ琴奈と旅行に行くのは初めてじゃないし今更だな。そのかわり、あまりお楽しみ感出さないでくれよ?鬱陶しいから。」


「大丈夫。避妊はする。」


「はーい。ストレートにいわないでねー?雛乃ちゃーん…それより。2人で旅行行ったことあるんだ?

2人の仲なら不思議じゃないけど…本当に付き合ってないんだよね?」


「ないわね。私達は親友って言葉が1番合うし、そもそも紫音にはこの間まで彼女がいたし私も彼氏はちょこちょこいるわ。」


「あまりお互いの事は干渉しないからなー?そう思われても不思議じゃないが、俺たちは親友だよ。」


「ハッキリ言えるのは素敵な事。でも、雛乃的にはもはやカップル以上にカップル。」


「だよなぁ…最初に4人で飲みに行った時は普通にカップルだと思ったよ。まあお陰で俺たちがカップルになったわけだけどね?」


「周りがどうこう言おうが関係ないし、のろけも聞きたくないわ。御馳走様でした。」


「友達のカップルのやりとりって見てて恥ずかしいよなー?まあ最高のネタであり酒の肴だよ。という訳で勝手にやっててくれ。俺は琴奈とKPしてるから。」


「…ヒデちゃん、こっととしーくんがもっとイチャイチャしろって。」


「言ってないよー?紫音と島津さんもひどいね!?

そういうところだよ!?こっちがのろけられてる気分なんだけど!?」


俺と琴奈は、それぞれ反応が違う友人カップルをからかいながら、酒を飲み進める。そう…なんと言われようと、俺たちは親友でそれ以上でもそれ以下でもない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る