第15話 男友達

「しかし紫音。久しぶりだな?傷は癒えたのか?まあお前には島津さんがいるし大丈夫だろ。」


「琴奈には確かに世話になってるが、そんなんじゃねえよ。お互い持ちつ持たれつだ。」


俺は久しぶりに気晴らしのため、自身が所属するアウトドアサークル〜オール電化〜へと来ていた。このダサい名前は半分ネタだが、現代機器を使いこなして快適なアウトドアサークルにしようぜ的な意味らしい。


実際は男の趣味満載の思いつきで何でもやるサークルだ。ちなみに今日はツーリングをしていた。


「今日はバイトあるんだろ?」


「ああ。このツーリングでそのままバイトに行くよ。」


ちなみに今話している人物は、男友達の中では仲がいい、澤村秀明(さわむらひであき)

学部は違うが、趣味が合いサークルでは一緒に行動する事が多い。


「ところで紫音。朝バイクに乗せて登校してきた子は新しい彼女か?」


「見てたのかよ…相変わらずヒデは目ざといな。まあいろいろあって知り合ったんだよ。彼女ではない。」


「出会いは知らんがSKYの飲み会の事は聞いたぞ。相変わらず損な役回りばかりしてるな?とりあえず詳しく話せ。」


俺はため息を吐きながらも、ヒデに菊一との馴れ初めを話す。


「全くラブコメしてるな紫音は?先輩に同級生に後輩に元カノに女友達。わかってると思うが手は出すんじゃないぞ?おっぱいぐらいは揉んでそうだがな?」


「エスパーか貴様は…あれは不可抗力だ。それに、それなら元カノはありえん。」


「だが気をつけるに越した事は無いぞ?女の世界は恐ろしいからな…これは彼女からの受け売りだが…」


「お前たちは仲が良くていいな?」


「その言葉、紫音と島津さんを見た彼女がまんま同じ事言ってたぞ?」


「そんなんじゃねえっての。」


「とりあえず大方の話しはわかった。近いうちに飲みに行こうや!彼女も紫音と島津さんに会いたがってる。2人と4人では楽しさの種類が違うからな?

…そうさな。G.Wに旅行なんてどうだ?宿なら伝手がある。」


「バイトもあるし、琴奈の予定もあるから即決は出来んが、楽しそうだし賛成だ。ヒデの伝手は当てになるからな。さすがはボンボンだよ。」


「金は自分で稼いでいるが、使えるものは何でも使う。こうして遊べるのもあと2年なんだからな。」


「確かにそうだ…とりあえずシフト確認と琴奈に聞いてみる。そろそろ行くか?」


「おっけい!そんじゃ山下りの時間だ。」


そう言うと、2人は再びバイクにまたがり、山を下って行く。

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