第12話 買い物
「今来たところだよ。」
「まだ何も言ってないけど、お待たせ。」
菊一を送った後、と言っても家は目の前なのだが、俺はショッピングに最適な百貨店やらビルやらが並ぶ駅へと一足先についていた。ちなみに俺は白に近い金髪にしているため、わりと目立つので待ち合わせには最適だ。特に意味はない。
「んで?何買うんだ?悪いけど下着とか女性ものの服は分からんぞ?お前なら大体なんでも似合うだろ?」
「男に下着を選ばせるバカはいるかもしれないけど、私は違うわ。なんだかんだあなたセンスいいし軽く意見くれるだけでいいわ。小物とかならあなたも見れるでしょう?」
「そうかい…とりあえず昼飯にしね?」
「ダメよ。今の時間は混んでるし、少し見てからにするわよ。」
「ごもっともで…」
そう言うと2人はショッピングへと足を進める。
「いやー!ごめんねー2人ともお邪魔しちゃってー?私もいろいろ買いたかったんだけど、紫音くんと琴にゃんがいたらセンスいいし助かるなぁ!」
「構いませんよ?今日の紫音は荷物持ちにしかすぎないですし。」
「それは確かにねー?飲み会でそんな事してたなんて悪い子だなあ?私も昨日紫音くんの分まで働いたし、この後は荷物持ってもらおーっと!ねえ?琴にゃん?」
「ええ。」
「反論の言葉もありません…」
あの後、2人であれやこれやと選んでいると、同じく買い物をしていた愛莉さんとバッタリ遭遇した。琴奈は結構俺のバイト先にくるので、愛莉さんとは顔馴染みだ。断る理由もないし、俺としては両手に花なため、今は3人でランチをしていた。
「さてー?2人は大方買い物すませてるんだよね?そしたら百貨店の小物コーナーに行こうよ?あそこなら紫音くんも見れるし、バラけても問題ないしねー?」
「ちょうど私たちも小物が見たかったからよかったです。紫音も何か欲しそうでしたし。」
「ん?ああ。キーケースが欲しかったんだよ。財布は今はほとんど使わんし、ちょうどボロボロだったしな。」
「…そんな、も、と、彼女から貰った物なんて早く変えなさい。」
「それはいいタイミングだったねー?よし!じゃあ紫音くんのキーケース選びに行こー!」
「目的変わってません?」
紫音は2人に引っ張られるように喫茶店を後にし、百貨店の小物コーナーへと向かう。
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