第9話 飲み会3
「昨日別れてすぐに合コンか…楽しそうだね。」
「べっ、別にサークルの飲み会なんだからいいだろ!それにまだ別れてねえよ!」
「女の子膝の上に乗せて抱きしめてるのはいいんだ?まあたまたま私がここいたのも運の尽きだよね?あんたがどう言おうが私はもう別れたと思ってるから。それじゃあね。それに私も気になる人出来たし今日一緒に帰るからここに来たんだ。偶然。」
「はっ!?お前こそ浮気だろそれっ!まだ別れてないんだから!」
「もういいよ。とりあえず帰りましょう?先輩!!」
そういい、菊一はいい笑顔で俺へと手を振る。
何を隠そう、俺と菊一は事前に打ち合わせをし、証拠写真を撮りとっさに来てもらったのだ。
最初はそのつもりがなかったが、あのチャラ男を見た瞬間に菊一の元カレだとわかったので、菊一に事情を話し来てもらったのだ。
琴奈には悪いが、俺はただの飛び込み参加者だし、幸い琴奈との関係も目の前の観月以外には知られていないので利用させてもらった。
後が恐ろしいが、琴奈には後から死ぬほど謝るとする。
「お前なんなんだよ!?なに人の彼女に手出してんだよ!?」
「たった今お前は振られた。だから彼女ではないし、俺はたまたま知り合ったに過ぎないから手も出していない。必ずツケは回るもんだ。自分のケツぐらい自分で拭けよガキが。」
「んだとテメエ!」
チャラ男はおれの胸ぐらを掴むと俺の顔を殴る。見た目通りチャラ男の拳は弱く。酔っていた事。予想していた事もあり、俺は余裕で耐える。しかし…
「先輩!!もうっ!最低!手まで出すなんてクズだね…今度埋め合わせさせて下さい…このクズは私が連れて行きますから。もう言い逃れできないからね?」
そう言うと、菊一はチャラ男を連れて行き。居酒屋はなんとも言えない空気になる。
「すいません皆さん!男女の中には気を付けてください!それじゃあカンパーイ!」
と俺はとっさに乾杯をしなおし、無理矢理軌道修正する。幸いノリがいい人ばかりなのとさっきのチャラ男の人望のなさがいい方向へ働き。割と普通に戻っていた。
「説明」
「はい。大変申し訳ありませんでした琴奈様。」
自分の席へと戻ると、そこにはすでに青筋を立てた琴奈が座っており、ハンカチで俺の口を拭くとすぐに説明を要求する。
俺はこの飲み会をとっさに利用した事を、終始頭を下げながら琴奈へと説明するのだった。
ちなみ琴奈はトイレに行っていたらしく、俺が殴られるところしか見ていないそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます