第5話 マック
「えっ!?同じ大学じゃないですか!?しかも先輩だし…学部どこですか?」
「狭いなー。まぁ大学はこの辺は一つしかないしな。学部は経済だよ。だけど、やりたいこと見つけたら他の学部も覗いたりしてる。経済だとわりと自由きくしな。」
「そうなんですか!?私も経済なんでどっかで会ってたかもしれないですね?」
菊一奈々香(きくいちななか)
聞いてみると同じ大学で一つ下の後輩だということがわかった。高校は違ったが地元も同じでわりとすぐ意気投合した。
「んで?浮気されて別れた割にはそんな落ち込んでるように見えないけど?」
「先輩結構鋭いですね…そうですね。確かにあまり落ち込んでないかもしれません。ていうか元々そういう奴だって知ってて付き合いましたから…あっ!でも、あれは、その…してないですから!そんな日もたってませんし…」
「さっきの兄ちゃんはモテるからとりあえず付き合ったけど、やはり付き合ってもチャラさは変わらず、ついでに向こうは身体目的っぽかったからそれっぽい理由で別れたってことか?」
「先輩盗聴とかしてないですよね?」
「アホか。やってるならもっとバレずにやるわ。まぁでも、大学生なんてそんなもんじゃないか?モテるのは嬉しいし、菊一は可愛いからその気持ちはわかるぞ。何事も経験だ。」
「…結構先輩って女慣れしてません?ちょっとムカつくんですけど。」
「なんでだよ。まあ俺もわりと最近まで彼女いたしな。」
そう言い笑っている菊一。
琴奈の事は隠すことでもないが、あえて言わないことにした。同じ大学ならそのうち会いそうだしな。
「最近って事は私と一緒ですね?別れた理由は聞かないですけど話したくなったら話してください。恋バナは好きですし、先輩ともっと仲良くなりたいですから!」
「おっ。デリカシーはあるみたいだな?てっきりズカズカくんのかと思ったわ。」
「酷いですよ!?それに最後のセリフさらっと流さないで下さいよ!?あざとさ出したのに!」
「はいはい。可愛いデスよ。それよりもう帰るか?もう知り合ったしそのうち会えるだろ?」
「もうー!ムカつきますー!…あっ、もうこんな時間なんですね?先輩!LINE交換しましょう!また遊びたいです!」
「はいよ。俺も可愛い女の子の知り合いが増えるのはありがたいしな。帰りも送ってくぞ?」
「…やっぱりムカつきます…」
俺は何故か可愛く怒っている菊一とLINEを交換し、
マックを後にしバイクで菊一を送る。
後にわかったが、菊一の住むマンションは俺の迎えのマンションで、家行きますねー!と言ってあざとく帰って行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます