第3話 バイト

「お疲れ様です。」


「紫音くんお疲れ様!さっそくキッチンおねがーい!」


俺がバイトをしているのは大学から1駅隣にある町の喫茶店兼バルで17時までは喫茶店18時からはバルとして営業している。

休みの日は昼から喫茶店、学校の日は基本的バルとどちらでもキッチンで料理やらドリンクやらを作っている。

そして、俺にすぐ声をかけて来た人が、一つ上の先輩で高梨愛莉(たかなしあいり)

同じ学校の先輩だった事もありわりとすぐ意気投合したまに遊びに行ったり飲みにも行ったりしている

ちなみに琴奈同様、スタイルも顔もいい。


「紫音くんそういえば、ちゃんとご飯食べてる?1人だとあんま作ったりしないでしょ?」


「まあそっすねー。なんか自分のためすんの面倒いし、女々しいすけど、いろいろ思い出しちゃって…」


愛莉さんには彼女と別れた事を、わりとすぐ見抜かれ飲みに行った際に話した。別れた理由も、よくある事だけどめっちゃムカつく!と言ってくれて嬉しかったのを思い出す。


「も〜…まあ仕方ないけど、なるべく栄養あるもの食べるんだよ?顔疲れてるよ?とりあえず今日は私がさっきお弁当作ったから夜食べてね?」


「マジスか?愛莉さんのご飯美味しいからめっちゃ嬉しいっす。人が作ってくれたご飯って美味いっすよね…」


「紫音くーん?感傷的になるのは仕方ないけど、いい事ないよ?無理矢理にでもプラスのこと言お?料理も紫音君には敵わないしね!」


そう言うと愛莉は紫音の手を取り弁当を渡す。


「愛莉さんに敵わないっスよ。本当に感謝してます。俺に出来ることがあればなんでも言ってください。」


「ほんとっ!?じゃあ今日終わったらあそこのパフェ食べに行きたい!バイクで乗せてってー?」


「またパフェすか?わりと最近バイト一緒になった時はいつもじゃないですか?」


「そうかなー?だってパフェ好きだし、バイク気持ちいいんだもん!私は運転出来ないし、夜遅くても送ってもらえるし役得だなー!」


「それが本音ですね…まあハッキリ言い切るところが愛莉さんの良いところですね。」


「紫音くんには女特有の付き合いしなくて済むし、事実だしねー!さっ!仕事しよっか?」


愛莉の言葉を聞き時計を見ると、17時55分。

18時からのバル営業に向けて、2人は休憩室を後にする。

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