第2話 学食

「お昼それだけで足りるのかしら?それともまだまともにご飯も食べれないのかしら?」


「自分ではそういうつもりはないんだがな…にしても、お前は相変わらず食うな。」


「朝とお昼は食べるようにしてるのよ。バイトもあるし夜遅くに食べたら太るでしょ?」


「ああ…カフェだったな…あそこパンケーキ美味いもんな。でもお前わりと夜電話してる時なんかつまんでない?」


「あれはナッツよ。」


「意識が高い事で…」


俺たちは学食にて昼食をとっていた。

ここの学食はわりと安くて量が多い普通の学食だが大学生には良心的だ。

気になるのは、そんな俺たち…主に琴奈への視線が多い事だ。


「高校の時から変わらんな。あの時よりも社交的になったから視線が多い事…」


「女には女の世界があるのよ。一応サークルも入ってるし、いつまでも好き嫌いはしていられないわ。あなたはサークルにも出てないんでしょ?」


「あのアウトドアサークルの事か?まぁ今の時期はバイクか、春スキーかスノボーだし、ぶっちゃけ大人数で行く必要なくね?バイクにはいつも乗ってるし。」


「それもそうだけど。それなら私のお願い聞いてもらってもいいかしら?」


「飲み会なら行かねーぞ?」


「はぁ…無駄に察しがいいわね。同じサークルメンバーと他の大学で飲み会があって後1人男が足りないのよ。私を助けると思って来なさい。ちなみに拒否権はないわ。ノートは私が握ってるんだもの。」


「…んで?いつなんだその合コンは?知り合いがいたら楽しめなさそうだが…」


「人数は多いし問題ないわ。それに…こんな事あなたにしか頼めないし頼まないわ…」


「ったく。そういうとこ上手いな相変わらず。まぁ気を紛らわすにはもってこいだろう。とりあえず今日はバイトあるから終わったら連絡する。」


「ええ。助かるわ。ところで、うどんのびるわよ。」


「…それを先に言えよ…」


そう言うと紫苑はため息を吐き、のびかけたうどんをすする。

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