それでも世界は普通に回る

UK

第1話 いつもの日常

「あなた。あーちんと別れたんだって?」


「なんで知ってんだよ?…って言っても今のご時世じゃいくらでも知れるか…お前顔広いもんな。」


いつものように大学の講義を受けていると、

当たり前のように話しかけてくる奴がいる。


島津琴奈(しまずことな)

高校1年からの付き合いで、いわば親友と呼べる仲だ。

琴奈はスタイルも人付き合いも良く、モテるのだがどうも彼氏とは長続きしない。

俺との仲を疑われる事もあるが、そんな雰囲気になった事もない。


ちなみにあーちんとは俺の元カノ

加藤絢美(かとうあやみ)の事だ。


「あら。落ち込んでると思ったのにわりと普通ね。このイチゴオレは私が飲もうかしら?」


「…くれんならくれ。これでも落ち込んでんだよ。今回はわりと長かったからな…」


「何があったかは今度聞くわ。あなた、私ぐらいしか友達いないじゃない。」


「女の友達は、を付け足せ。まぁ大した理由じゃないが、話し相手がいるのはありがたいな。1人だといろいろ考えちまう。」


「まあ、5日も学校サボって私にノート取らせたんだから、手始めに学食奢りなさい。話しも聞いてあげるのだから安いぐらいね。」


「…ありがたい限りですよ琴奈様。彼女も居なくなってとりあえずバイト漬けにして気を紛らわせてたから金ならある。むしろ奢らせてくれ。」


「話しが早くて助かるわ。でも、気を付けなさい。あなた、結構ひどい顔してるわよ。」


「今は少し落ち着いたが、しばらく寝れなくてな…

とりあえず、授業も終わったし、飯にしようぜ?」


「ええ。そうしましょう。」


2人は学食へ向けて、席を立ちその場を後にする。

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