第58話、彼女を連れての海にはハプニングが付き物。

『それじゃあいくぞー!!そりゃ!』



『晴樹!そっち行ったよ!』



『オッケー!任せとけ!それっ!』



『わっ!私の方に来たっ!えぇいっ!』



『ナイス!菜月!食らえ晴樹!!』



『ぐはっ!!』



俺の顔を直撃したビーチボールは、静かに地面に落ちた。



『やったー!流石に健太!』



『おぅ!菜月もナイストス!』



パチンッ!____



健太と菜月がハイタッチをしていた。



『大丈夫春樹?』



『大丈夫だよ、くそぉ!やってくれたな健太!』



『晴樹!今度は私達の番だよ!』



『そうだな!やり返してやろうぜ!』



俺達4人は着替え終わった後、カップル同士で分かれて、ビーチバレーで遊んでいた。。。



____________________


『はぁ、はぁ、はぁ〜凄い汗かいた』



『はぁ、はぁ、そうだな、汗を流すがてら海に入ろうぜ!』



『あ、そしたら私達は飲み物取ってくるよ!ね、菜月!』



『そうね、二人で先に入ってて』



『オッケー!それじゃあ行こうぜ晴樹!』



『りょーかい!』






『.....ぷはぁ!冷たくて気持ちがいいな!』



『そうだな!やっぱり海に来たからには泳がないとな!』



風香と菜月が飲み物を取って来てくれている間、先に海で泳いでいた俺と健太は二人で先に海を満喫していた。



が、しかし、、、



『なぁ晴樹、飲み物取りに行っただけにしては遅くないか?あの二人。』



『俺もそれは気になってた、なぁもしかして何かあったんじゃないのか?』



俺と健太は、いつまでも来ない風香と菜月の事が心配になっていた。



『もしかしてナンパされてるって事はないよな?』



健太が恐る恐るそう言ってきた。



それを言われた俺はその可能性があると思い、健太にこう言った。



『健太、俺達遊んでる場合じゃないぞ!早く探しに行くぞ!』



『そうだな!俺も心配になって来たから早く探そう』




俺と健太は急いで浜辺に戻り、恐らく風香達がいるであろう海の家付近へと向かった。



『だから!彼氏と来てるっていってるじゃないですか!』



『えー、いいじゃん!俺達と遊ぼうよぉ〜、さっきからそんな事言っていないじゃん彼氏くん達』


『そうだよー、俺達なら君達みたいな可愛い子なら大歓迎だからさ!絶対に楽しいからさ』


『俺達と楽しい事しようぜぇー!』




『おい!健太あれ!』



『やっぱりそうだったか!助けに行くぞ晴樹!』



『おぅ!』



嫌な予感が的中してしまい二人がナンパされているのが見えた。


俺と健太は、二人を助けるべくナンパして来ていたチャラそうな二人組の前に割って入っていった。



『あのー、すいません!俺達の彼女に何かご用意ですか?』


『悪いんですが、他をあってくれませんか?』



『晴樹!』

『健太!』



俺達の名前を呼んだ風香と菜月が、俺と健太にそれぞれ抱きついてきた。



『大丈夫だったか風香?ごめんな、怖かったよな』



『うん、正直凄く怖かったよ。』



『頑張って断ってはいたんだけど全然諦めてくれなくて、、、』



そう言った風香の体が少し震えているのが分かった。



それに気付いた俺は優しく頭を撫でて安心させてあげた。



それは菜月も同じだったようで、健太にしがみついていた。



その二人の様子を見て俺と健太は怒りを覚え、お互いの息を合わせるようにそのチャラを達を二人で無言で睨みつけた。



『いや、なんだよ!ちょっと声をかけただけじゃんかよ!ちっ、次に行くぞ!』



『分かったよ!彼女が大事ならちゃんと一緒にいる事だな、じゃないとまた俺たちがナンパしちゃうかもな!』



そう言って捨てゼリフを吐いて、次のターゲットを探しに逃げ去っていった。



『折角の海なのに辛い思いをさせてホントごめん。』



俺と健太は、二人に頭を下げた。



『大丈夫だよ、ほらっ!気を取り直して早く海で泳ごうよ!』



『そうだよ!二人とも早く行くわよ!』



『お、おい!引っ張るなって!』

『ちょっ!風香!分かったから待って!』



『待ちませーん!』

『待たないわよ!』



そう言って風香と菜月は笑顔で俺と健太の手を引っ張り、海へと走って向かった。



『『あはは!!』』



その笑顔は、太陽の光が反射した海の輝きよりも綺麗に輝いていた。




…………………………………

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Not Memory Loss-記憶を失ったフリをしたら幼馴染が彼女になった- 駿貝 太陽 @tsuinz

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