その後(永田の想い)

死刑制度撤廃を求めていた永田議員は、半田の死刑確定に対し、文書でコメントした。

「私はこれまで被害者遺族の気持ちを分かったつもりでいたが、自分自身が遺族となって始めて、やり場のない怒りは判決がどうであれ消える事は無い事が分かった。ただ、もしも半田が無期懲役だとしたら、なぜ息子の命は奪われたのに半田は生き続けられるのだろうと思い、自分の手で復讐してやりたいと思ったかもしれない。


そう考えると、遺族の復讐心を和らげ、社会に悪影響を与える重犯罪者を国家が代わりとなって排除する。それにより社会の秩序や安全・安心が保たれるのではないかと思い始めている自分がいる。


正直、私自身は今回の件ですぐに『死刑撤廃』という主張を覆すことは無いですが、強く主張する事も当分は無いと思います。



ただ半田が言っている事で一つ真実があると気付かされた事がありました。


それは、


『人は、

相手が自分の命や健康を奪う可能性がある『かもしれない』という自分勝手な憶測。

自分の身を守るためには人を傷つけてても仕方ないという大義名分。


この2つが自分の中に存在した時、簡単に同じはずである『人』を『人』と思わず敵として認識し、あらゆる手を使い排除するという思考に陥る』


ということ。


今の日本人いや地球上に存在する人間の大半は、犯罪者が近所や隣に暮らしていると分かった瞬間に、これまで見えていた世界とはまるで違った世界へと一瞬にして変わる。そして、昔に感じていた平穏な世界を取り戻す為なら他人を傷つけるだろう。


であれば、過去に一度でも他人の心身の安全を脅かす罪を犯した人間は、どこかの島に閉じ込めて自給自足をさせるという発想も時代錯誤と言われるかもしれないが必要なのかもしれないと思っています。」

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