最終章part5
「結局、半田。お前が言っていることは全て八つ当たりだし社会への甘えにしか聞こえないだよ。お前の自分勝手な言い分で奪って良い命なんて、この世にはないんだよ。」
刑事は半田の自分勝手な主張に苛立ちが抑えられなくなっていた。
そんな刑事の苛立ちを感じながら半田は言い訳を続けた。
「刑事さん、今の日本においては犯罪者にもっと無慈悲な社会の方が、確実に平和な社会になるんだよ。犯罪を犯した人間はどこかの島に隔離して、犯罪者だけで自給自足をさせれば良い。
人を殺している時点で償う方法は自分の命を失うことしか無いんだよ。罪を意識し生き続ける方が死ぬより辛いという事をテレビでは良く言うが、そんな事は無い。人間は生き物だ。生き物の根幹は『生』への執着なんだよ。だから、自らが死ぬ日時を知らされて、その日まで自らの『死』を強制的に意識しながら生かされる方が余程、辛い。だから、人を殺した人間は、例えば刑が確定した日から必ず2週間後に死刑執行される。こうした世の中にしてしまった方が絶対に良い。
死にたいと思う人間が死刑を求めて罪を犯す可能性があることを避けるために、死刑対象は犯罪者当人とその人にとって大事な人を一人、必要な犠牲として死刑する制度にしてしまえば良い。そうすれば、自殺目的で殺人を犯す人間もいなくなるだろう。
犯罪者を刑務所に入れておくだけで税金も無駄になるだろ?でも、俺が今言った案なら自給自足で生活させるため、税金が毎年大量に流出する事もないし、殺人犯は2週間後に死刑になるから受刑者の数も増える事もない。
刑務所が無くなれば維持費も必要なくなるから税金をもっと社会の為になる場所へと還元していける。
この方が社会にとっては良いと思わないか??」
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