彼らの物語はこうして始まる1

「ご主人様-----」


僕のスマホから、ラブリーハニーの声がした。

僕が独自にカスタムした着信音だ。

「誰だよ~ 宅磨か~~」

そして、着信画面を見て、彼はスマホを落とした。


「ど、どうして?! 早見さんからメッセージが」


と、2秒だけ、喜びかけたが、放課後の出来事を思い出し、このメッセージが神谷準宛ではなく、あの光景を見てしまったもの宛だということに気付き、若干、落ち込んだ。


「どうせ、さっきのことだろう。さっさと返信しよ~~」


と、スマホのロックを解除しかけたところで、彼は思いとどまった。


「まて、こんなに返信が早いと、早見さん、気があるって思っちゃうんじゃないの?   

 よし、少し時間をあけよう。ちょうど見たいアニメもあるしーー」


そして、彼はテレビと2時間弱にらっめこを続けた。

しかし、彼の頭は早見沙也加で蝕まれ、内容など頭に入るわけもなかった。


「ふぅ、、もう返信していいよな。よし。よし。」


恐る恐る、メッセージを見てみるとこう書いてあった。


「ーーメッセージの送信を取り消しました。ーー

 明日、少し早く学校に来てください。誰もいないような時間がいいです。

 なお、このメッセージへの返信は結構です。」


と、、、、、、、、、、、


「はぁ、僕、何してたんだろう・・・」



「メッセージの送信を取り消しました?!」

一体、何が書かれてあったかなど、彼に知るよしはない。


「うん。今日はもう寝よう。明日は、朝4時に起きて、朝風呂、朝シャンだ!!」


こうして、スマホの背景のお気に入りキャラにおやすみのチューをして

抱き枕を抱えて、1日の疲れが大きすぎたせいかすぐ眠ってしまった。

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