転校生3

「いってきまーーす」


なんだかんだ、一週間が過ぎた。その間これと言って、何もなかった。


ただ、事件が起きたのは、そんな朝だった。

このクラスの落とし物として、ライトノベルが発見された。

「お兄ちゃんと、一歩踏み込んだらだめですか?」

表紙は、ほぼ全裸に等しい妹ヒロインの絵が堂々と描かれてある

あ、あれは??……

もしかして、僕の……


いや、落ち着け。僕はまだ朝読書にあの本を持ってきたことはない。

はずだ。うん、間違えて、、、、、、


宅磨もおそらく、こんな僕の様子を怪しく思ったのだろう

「じゅん、、も、もしかして?」

「ち。違うよ」

「だ、だよなぁ。あんな本お前がな。あの妹なら何でもしていいとか思えるあんなのをな…」

「そ、そうだよ」


あれ、こいつなんであの本のことを??…


と、そこへ早見さんが登校してきた。

女子生徒が早見さんに

「ねぇ、早見さん、こんな本が…  なんか気持ち悪い」

「え?なにそれ」


うん、なんか早見さん少しおかしくない?気のせい…

「気持ち悪くない?」

「そ、そうね」

「絶対、男子が曲がった性癖をこの女の子にぶちまけているのよ」


うるせぇ、、、。ライトノベルのヒロインは俺の、俺たちオタクの希望なんだよ。

馬鹿にするんじゃねぇ! 


なんて言えるわけもなく、黙って聞いていた。


「これ先生に渡したほうがいいよね?」

「え、え、そこまでする必要ある?」

「あるよ、りっぱな私たちへのセクハラよ。こんな本」


うるせぇ。てめぇになんか興味ねえよ。誰がセクハラだ!

「がぁるるううう」

ところで、なんで宅磨は歯ぎしりしてんだ…


「とりあえず、私が預かっておくは」

「う,うん」

なかば強引にも、見えたが、早見さんが、その本(お兄ちゃんと…のこと)をもって

こっちへやってきた。


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