転校生1

「おはよーー」

「うわ、おまえ、同じクラスなのかーー」

「…ちゃん、また同じクラス、、、」

クラス内で、もうすでにグループができつつある…

まずぃ…このままじゃまた…

「しんたにくん?」

後ろの長身で、イケメンと言っていいだろう顔の男が声をかけてきた。

「あ、かみやって読むんだよ」

意表を突かれたが、冷静に応える。(応えられていたはずだ…)

「あ、かみやね。俺は、斎藤宅磨。たくまでいいよ。よろしく」

「僕も、じゅんでいいよ。よろしく」

(なんだこのイケメンキャラは。僕でも惚れそうになったぞ一瞬。)

それから僕たちは、何気ない会話を続けた。

始業式へ向かうときに、隣の席に誰もいないことに気が付いた。

(あれ、僕の隣の席の人は欠席かな…)



時は進み、ホームルームの時間

「それじゃ、転校生を紹介する」

担任の口から出たその一言はクラス中をざわつかせた。

「転校生、超絶美少女らしいぞ。」

後ろから、宅磨が話しかけてきた。

「へぇーー」

「なんだ興味なしかよ」

確かに、興味が全くないことはない。だが、僕は知っているどれだけかわいい女の子も僕の好きな二次元嫁たちには到底かなわいことを。そう、かなわないはずだった……。


教室が開いたとき、散る桜が見えた。(もちろん、そう見えただけだ…)


透き通った髪、体のわりに小さすぎる顔、ふくよかな胸、すらっと長い脚、、、

まさしく、僕の思うメインヒロインだ…

どれくらいの間、見つめていただろうか…

「じゅん、じゅん、…口あいてんぞ」

「あ、ああ…」

「めっちゃ、かわいいなぁ。なんだ、一目惚れか…」

「あ、ああ、、、そんなんじゃ…」

否定したつもりだったが、彼女に見とれて、否定しているようには聞こえなかっただろう。。。


「はじめまして。早見沙也加といいます。よろしくお願いします」

(おいおい、なんつー声だよ… 俺の好きな声優三本の指にも匹敵するぞ…)


「早見、あの席が空いている」

おいおい、もしかして、、、、、、、、

僕の隣かよ?!?!

感謝するぜ。ラブコメのかみさまぁぁぁ

数分前の彼の思いなど、もうどこにもなかった。。。。。

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