第538話 チーム分けで揉めない仲の良さ。大人ですから
〈Gen〉『経験者仕切りよろ!』
〈Jack〉『投げたーーーーw』
〈Loki〉『12人だと、3人チームを4つっすかね!』
とりあえず変身アイテムを作成したメンバーの変身が終わり、きっとまもなくあーすもチュートリアルを終えるであろう頃、ようやく今日の本題が動き出す。
12人でPvPをするとなると、出来るのは
だが当然せっかくみんな揃ってるのだから、俺もロキロキの提案に賛成だった。
〈Zero〉『振り分け方は流石にランダムじゃ厳しいから、武器で判断か?』
〈Jack〉『そだねーーーー』
〈Jack〉『盾役のリダとゆっきー、せんかん、あーす。アタッカーのゼロやんとだい、ゆめ、ロキロキ。後衛であたしと嫁キング、ぴょん、いっちゃんを分ける感じかなーーーー』
〈Loki〉『うまいこと武器分かれてるっすね!』
〈Gen〉『全パーティ盾前後で組めるのかw』
〈Gen〉『これも俺のリーダー力の成せる技だな!!』
〈Soulking〉『その程度でさっきの挽回は出来ぬ^^』
〈Gen〉『ひぃ!;;』
〈Zero〉『今日の嫁キングあたりつえーなw』
そして希望通りトリオを4チーム作ることになったが、12人のギルドで同じような編成を4つ作れるとは、たしかにすごいな【Teachers】。
でもその組み方だとだいとは別々か。残念。
……え? リダ夫婦の関係大丈夫かって?
いや、それはほら、ああいう仲の良さの夫婦じゃん? 信頼関係の成せる技だろうよ。
〈Yume〉『経験者も分ける〜?』
そしてチーム編成に関して武器による組み分けが決まったあと、ゆめから追加の提案がやってくる。
とはいえアタッカーチームは全員経験者だからな。誰もいない、ということにならないのは規定路線。
〈Jack〉『だねーーーー』
〈Daikon〉『アタッカー枠は全員経験者だから、必ず全パーティに振り分けれるね』
〈Loki〉『あっ、たしかに!』
俺が気づいたことにだいも気付いていたようで、これで俺・だい・ゆめ・ロキロキが各チームにバラけることが確定する。
あとはジャックとゆきむらをバラせば、とりあえずPvPの経験値という点では均等だな。
とはいえ——
〈Hitotsu〉『足引っ張りますごめんなさい><』
〈Yukimura〉『いえ、私こそお昼からやってたPvPの時は上手く出来ませんので、足を引っ張ってしまうかと』
〈Pyonkichi〉『別に最初から上手いやつなんていねーだろ。楽しくやろうぜ!』
〈Senkan〉『お、珍しくいいこと言うなw』
〈Pyonkichi〉『ヒーローだからな!』
〈Yume〉『珍しくはスルーしたあたり大人になったね^^』
〈Jack〉『でもほんとそうだよーーーーw』
〈Jack〉『気負わず遊ぼーーーーw』
〈Hitotsu〉『はう><』
〈Zero〉『でもスキル低いのは事実だから、組むメンバーは重要だろ?面倒みてやりたいとは思うけど、スタンダードな近接アタッカーの方が組みやすいか?』
〈Soulking〉『いいお兄ちゃん!』
〈Loki〉『でもたしかにガンナーのサポートは癖あるっすね!』
LAプレイヤーとしての経験値は千差万別。
特に真実やあーすは他のみんなと比べて1枚以上落ちるし、ジャックは殿上人で、ロキロキの知識量も群を抜いている。その辺も上手く組まないと……そう思って俺が妹の組む相手を話題にあげると。
〈Jack〉『じゃあいっちゃんのチームには、お昼のPvPで1番強かっただいをいれよーーーー』
一番の知恵者であるジャックから、だいの推薦がやってきた。
その推薦に背後から小さく「え」と漏らす声が聞こえた後、カタカタとキーボードを叩く音がして。
〈Daikon〉『1番強かったのはゆめじゃない?』
と、だいの反論が現れる。
とはいえ、
〈Yume〉『だい強かったよ〜』
〈Loki〉『チーム戦ならだいさんだと思うっす!』
〈Zero〉『そうな。ソロならゆめが勝つかもだけど、スキルバランス含めてチーム戦ならだいだろな』
みんなからもだいがいいという声が上がったので、これ幸いと俺はその意見に加勢した。
うん、俺もアタッカーだけど、トリオのチーム戦での総合力はたぶんだいの方が高いのは認めるよ。
〈Daikon〉『ふむ・・・あんまりピンとこないけど、いっちゃんと組めるなら悪くないね。頑張ろうね』
〈Hitotsu〉『よろしくお願いしますっ』
〈Pyonkichi〉『そしてこれが後の義姉妹パーティとなるのであった( ´_ゝ`)』
〈Zero〉『変なこというなっw』
〈Senkan〉『でもほとんどギルド公認だろw』
〈Yukimura〉『だいお姉さんですね』
〈Hitotsu〉『だねwよろしくお願いします、
お姉ちゃんっ』
〈Daikon〉『任せて』
〈Jack〉『気合いはいったーーーーw』
そしてこうして真実とだいが組むことが決定し、俺は内心ホッとした。
でもこの点については全体のバランス的にいいと思うからな。
お姉ちゃんのくだりとか、そうやってすぐ脱線するのはもう年中風物詩です。
〈Zero〉『となると、次点的に考えてあーすのいるとこにジャックか』
〈Earth〉『チュートリアル終わったよ☆今回の難しいね!』
〈Senkan〉『ドンピシャかw』
〈Gen〉『でも実力とかスキル値考えてけば、ゼロやんの提案通りだなw』
〈Jack〉『そだねーーーーwあーすよろしくーーーーw』
〈Earth〉『分かんないけどよろしくだよ☆』
そしてまた一つピースがはまる。
〈Soulking〉『あ、じゃあスキルの低さとか考えてくとあたしのとこは経験者二人欲しいから、盾役ゆっきーのとこがいいかなっ』
〈Jack〉『じゃあ、アタッカーバランスも含めて嫁キングチームはゆっきーとゆめがいいかもーーーー』
〈Yukimura〉『分かりました。よろしくお願いします』
〈Yume〉『おっけ〜わたしが指示出したりするね〜』
一つピースがはまりだすと、当然残るピースもはまりだす。
しかも今回は3人組の決定だ。
こうなれば、きっと後は早いだろう。
〈Gen〉『ここまで決まったのは、だいといっちゃん、ジャックとあーす、ゆっきーとゆめと嫁キングか』
〈Jack〉『いっちゃんとぴょんの回復性能考えるとウィザードのぴょんのが低いから、ぴょんはリダのチームがいいかもーーーー』
〈Pyonkichi〉『任せろ!!』
〈Yume〉『じゃあせんかんがだいといっちゃんのとこだね〜』
〈Hitotsu〉『せんかんさんよろしくお願いします!』
〈Senkan〉『おう!でも指示はお姉ちゃんよろ(・∀・)』
〈Daikon〉『はい』
〈Jack〉『冷たーーーーw』
〈Daikon〉『今回の仕様考えるとガンナーが1番トリッキーだから、ゼロやんはジャックと一緒がいいかも』
〈Zero〉『え、いいの?』
〈Jack〉『消去法的にもそだねーーーーw』
〈Gen〉『ゼロやんきたら、ぴょんとゼロやんセットで前で戦えるやついなくなるぞw』
〈Zero〉『あ、たしかに』
〈Pyonkichi〉『ポジションかぶせんなよ!』
〈Zero〉『なんもいってねーよ!w』
〈Earth〉『ゼロやんもジャックもあーちゃんが守るぜっ☆』
〈Loki〉『じゃあ俺がリダとぴょんさんのとこですね!よろしくっす!』
〈Gen〉『おう!ブレーンよろ!』
と、予想通り一つ決まってからは早かった。
まとめると、各チームをアタッカー・後衛・盾の順に
チーム①
チーム②〈Daikon〉、〈Hitotsu〉、〈Senkan〉
チーム③〈Yume〉、〈Soulking〉、〈Yukimura〉
チーム④〈Loki〉、〈Pyonkichi〉、〈Gen〉
以上のように決定だ。
しかしなんというか、どこのチームも珍しい組み合わせになったな。
〈Gen〉『じゃあ各パーティ組んで、作戦会議15分でいこう!』
〈Gen〉『各チームの盾役をアルファベット順並べたのをチーム番号にして、総当たり戦な!』
〈Jack〉『ってことは、あーすがいるうちが①だねーーーー』
〈Gen〉『うむ。で、俺のとこが②!』
〈Senkan〉『お姉ちゃんチームが③かw』
〈Yukimura〉『④了解です』
〈Gen〉『①-②、③-④』
〈Gen〉『①-③、②-④』
〈Gen〉『①-④、②-③』
〈Gen〉『でよろ!』
でも、こうやって戦う相手も決まれば、あとはもうやるだけだ。
そして俺たちはみんなリダに了解を伝え——
「負けねーぞ?」
「お姉ちゃんパワーで叩き潰してあげるからね」
「お姉ちゃん気に入ってるな!」
振り返った先の奴と火花を散らしつつ——
〈Jack〉『よろしくーーーーw』
〈Zero〉『よろ』
〈Earth〉『頑張るね☆』
俺たちは〈Jack〉をリーダーに、パーティ結成。
あ、そういえばボイチャの話は出なかったけど、まぁ今回はなしだろう。
終わってから話してみよっと。
そんなこんなを思った22時32分、俺たちは早速、作戦会議に移るのだった。
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