第531話 明らかに数が合ってないと思う今日この頃
〈Zero〉『うぃす』
〈Daikon〉『こんばんは』
〈Jack〉『おかえりーーーーw』
〈Loki〉『おかえりなさいっす!』
〈Yukimura〉『こんばんは』
〈Hitotsu〉『こんばんは!』
〈Yume〉『やほ〜』
〈Gen〉『おう!PvPやったのうらやま!俺もやりたい!w』
〈Earth〉『こんばんは☆』
〈Soulking〉『やほーw錫杖で殴る日がくるとは・・・面白いねっw』
〈Senkan〉『おう!新仕様なかなかだなこれ!』
「人多いなー」
「だね。あ、ぴょんももうすぐ来そう」
「ほうほう」
カーテンの隙間から覗く外の景色が真っ暗な20時52分、集合8分前ながら俺とだいが再ログインすると、かなり久々に全員が揃っていた。
いや、厳密にはぴょんはまだいないみたいだけど、振り返ればだいがスマホを見てたから直接連絡があったりしたのだろう。
しかしほんと、土曜日に全員っていつぶりだ?
最近はほら、ぴょんが大和んちにいることが多いみたいで、土曜はいなかったり二人羽織だったりが多かったし、なんだかんだ二人以外にも誰かしらいないことが多かった。
しかしさすが新しい世界が広がった日。
データ拡張の偉大さを痛感だ。
そして2,3分後——
〈Pyonkichi〉『遅れた頃にやって来る奴は』
〈Pyonkichi〉『ヒーロー!!!』
A=BはB=Aみたいなことを言いながら、最後の一人が現れる。
〈Jack〉『よっ、ヒーローーーーw』
〈Yume〉『集合時間間に合ってるけどね〜w』
〈Yukimura〉『こんばんは』
〈Daikon〉『こんばんは』
〈Earth〉『ヒロインはもういるぜぃ☆』
〈Hitotsu〉『こんばんは!』
〈Zero〉『うぃ』
〈Gen〉『全員きたかw』
〈Soulking〉『みんな今日を楽しみにしてたんだねっ』
〈Loki〉『スタートダッシュしたいっすからね!』
そして現れたぴょんにみんなが返事をし、モニターにはみんなのログが溢れだす。
でもこれで全員集合となれば——
〈Gen〉『じゃあ今日はみんなでPvPだな!w』
だよな!
俺はリダのナイス提案に心からワクワクした、のだが——
〈Jack〉『ぴょんはきたばっかだから、まだハーヴェルトまでも来てないよーーーーw』
〈Loki〉『チュートリアル終わらせるまでも割と時間かかるっすからね!』
〈Hitotsu〉『私今やってます!』
〈Senkan〉『俺ももうちょい』
〈Earth〉『チュートリアルって何??』
〈Zero〉『おいおいそっからかよ』
俺のワクワクも束の間、自分がいかにスタートダッシュを決めていたのかを思い知らされ、心の中で肩を落とす。
とはいえ、ここで文句を言うのはお門違い。
むしろ今日みんなが確実に新エリアに来て、戦闘のチュートリアルまで終わらせてくれれば、今後はみんなで確実に遊べるのだから。
そうとなれば、道案内とかでもしてあーすとかぴょんを手伝うか。
そう思ったところ——
〈Pyonkichi〉『みんなもう新しい街いんのかー』
〈Yume〉『だよ〜』
〈Pyonkichi〉『じゃあやっぱ、最後に行くあたしがヒーローだな!』
〈Daikon〉『リダの要望はもうちょっとかかりそうね』
〈Pyonkichi〉『スルー!?』
〈Yume〉『あ、じゃあ新しいだいのお披露目含めて、変身アイテムで遊ぼ〜』
〈Pyonkichi〉『スルー!?』
〈Senkan〉『スルーする』
〈Pyonkichi〉「はい』
〈Senkan〉『ひでぇw』
ぴょんと大和のやりとりは無視するとして、ゆめからちょっと楽しそうな提案がやってきた。
新しいだいのお披露目とは、つまりあの超絶可愛いNew〈Daikon〉をみんなに見せるということだろう。
それはつまり、みんながあの可愛さに感動する反応が見られるということか!
〈Soulking〉『新しいだい?』
〈Gen〉『ほー、変身アイテム使ったのか!』
〈Yukimura〉『びっくりしました』
〈Earth〉『そんなアイテムあるの!?』
〈Yume〉『あれ見たらわたしもちょっと作ってみたくなったよ〜』
〈Jack〉『みんなで作ってみるーーーー?w』
〈Hitotsu〉『だいさん会いたいです><』
〈Soulking〉『私もついに呪いが解けて美女に戻れる日がくるのねっw』
〈Yukimura〉『え・・・まさか獣人のお姿はリダの呪いだったのですか・・・?』
〈Gen〉『気づいたか・・・!』
〈Gen〉『そう、実は俺こそが大魔王だったのだ・・・!』
〈Yume〉『こんな近場にいたのか〜』
〈Senkan〉『魔王は強い強いとイメージだけ一人歩きさせるパターンと思ってたのにな!w』
〈Loki〉『設定のみ詐欺っすね!w』
〈Gen〉『甘いな!!』
〈Gen〉『マジンガーZ対暗黒大将軍とタイトルつけておいて実は両者の対決シーンがなかったことが逆に当時のちびっ子たちへ暗黒大将軍の強敵具合を印象付けたと言われているのとはわけが違う!!』
〈Yume〉『ん〜・・・?』
〈Gen〉『俺はそんな暗黒大将軍とは違ってこうして顕現しているのだよ!!!』
〈Zero〉『いや分かんねーし、絶対世代ちげーだろ!』
〈Jack〉『それでもツッコミいれるんだねーーーーw』
〈Yume〉『役割シンクロ率100%w』
〈Zero〉『それロボット違い!』
〈Senkan〉『流石ツッコミのプロだな!外しはしない!w』
〈Zero〉『お前は地味に元ネタの系統被せんな!』
〈Hitotsu〉『せんかんさんのネタなのか・・・』
〈Yukimura〉『よく分からないですね』
〈Daikon〉『シンクロ率しか分かんないね』
〈Zero〉『ほら見ろ事故ってんじゃねぇか!!!』
そしてというかなんというか、リダのボケ……いや、ログ見返したらこれ嫁キングから始まってんのか! そのボケを起点とした一連の流れに結局俺も巻き込まれてカタカタキーボードを打っていると、背後からは「ふふっ」と密かに笑っている声が聞こえてきた。
君が笑ってくれるなら、僕はツッコミにでもなろう。
その笑い声に何だか少し報われた気持ちがしたのは、最早職業病なのかな……!
とまぁ案の定の全員集合にのっけからふざけまくってしまったが、ゆめの提案に対するみんなのリアクションは上々だったのも伝わった。
ということは、これは変身大会開催かなぁという予感がやってくる。
でも真実と大和が継続チュートリアルで、ぴょんとあーすがこれからか。
となれば、会場に集まるのは8人か。
んー、それなら俺はログでみんなの反応楽しむだけでも——
〈Yume〉『じゃあ、とりあえず変身アイテム屋さんの前に来れる人は集合で〜』
〈Gen〉『闇の帝王の真の姿を見せてやろう!』
〈Zero〉『ボケに使ったネタのせいでキャラ変わってんじゃねえか!魔王って設定忘れんな!』
〈Pyonkichi〉『何これ、アシュラ男爵ってすげーな!こんな感じのキャラメイクできねーかな!?』
〈Zero〉『静かだと思ったら調べ物してただけかよ!』
〈Yukimura〉『調べましたけど、こんな感じのキャラメイク出来ましたっけ?』
〈Daikon〉『ここまで左右非対称なのは出来なかった気がする』
〈Zero〉『いやお前らみんな調べてんのかい!!』
〈Yume〉『将軍キャラはみんなお腹に顔あるんだね〜』
〈Pyonkichi〉『え、そのタイプなら・・・?』
〈Zero〉『作れねーよ!作れてたまるか!』
〈Jack〉『さすがだなーーーーw』
〈Soulking〉『ゼロやんフル稼働だねっw』
〈Senkan〉『俺もすぐ行くな!w』
〈Zero〉『くんな!』
〈Hitotsu〉『私も急ぎま・・・え!?』
〈Zero〉『あ!チュートリアルはちゃんとやれ!』
〈Zero〉『大和が話すとややこしいんだよ!』
〈Gen〉『辛辣だなw』
〈Loki〉『じゃあ俺はだいさん会いましたし、ぴょんさんとあーすさんの道案内しますね!』
〈Zero〉『ロキロキは・・・あ、素晴らしい』
〈Yume〉『困惑してる〜w』
〈Jack〉『ロキロキナイスーーーーw』
〈Loki〉『え?あ、うす!』
「ふふ、おつかれさま」
「え? あ、うん。……いや、ほんともうボケが多すぎるだろこれ」
はぁ。
だいの労いこそあったものの、俺が手伝うかと思った矢先、始まったボケラッシュに俺は大量のHPを奪われた。
しかも結局ロキロキにお手伝い役は委ねることになったし……つまりこれは、変身するみんなへツッコミラッシュ確定演出か……!?
メンバーが揃ったことが生み出した迸る嫌な予感に、俺は一人戦々恐々とするしかないのだった……!
次回、【Teachers】大変身編!
生き残れ、己のために!(次回予告風)
って、ボケっぱなしの方が辛いわ!!
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