第392話 試される愛⑨
〈Gen〉『じゃあ、いよいよ俺か!』
〈Soulking〉『ゆっきーは、さっきの問題の答え正解でいいのー?』
〈Yukimura〉『あ、はい。参考になりました』
〈Pyonkichi〉『ほんとかー?今度あたしの愛についても聞かせてやってもいいぜ☆』
〈Yume〉『長くなりそうだからオフ会ではやめてね〜^^』
〈Pyonkichi〉『Σ(゚д゚lll)』
〈Yume〉『(o^^o)』
〈Loki〉『仲良しっw』
あまりの可愛さの余韻残す通話後、そう言えばゆきむらからの正解もらってねーやと気づいたのは、嫁キングのログを見てからだった。
でも、ゆきむらが正解でいいって言ってるし、場の雰囲気もそんな流れに向いてるし、これはいよいよラストの問題、ってことだな!
既に時刻は23時32分。たぶん、この時間感覚もみんなに影響は与えているだろう。
真実とか、たぶんもう眠いんじゃねーかなー。
〈Gen〉『では満を持して・・・』
〈Zero〉『おう、どんと来い!』
〈Gen〉『とりあえず、問題の前置きからいこうかw』
〈Zero〉『え?』
〈Pyonkichi〉『前置きー?』
〈Jack〉『これは難問の予感かーーーーw』
〈Yume〉『リダはギルドの歴史そのものだもんね〜』
〈Gen〉『まぁまぁ、そんな大したもんじゃないw』
そしていよいよ始まろうとしたリダの問題。
だったのが、ここまでなかった前置きとかって言うあたり、むしろ逆にラスボス感があるなこれ。
でもここまできたら、何だって正解してやるぜ……!
そう意気込んで、俺はリダのログを待つ。
〈Gen〉『このギルドが出来たのはもう4年前・・・年度でいや5年前か』
〈Gen〉『俺は元々【
〈Yume〉『たんくたん〜?』
〈Jack〉『初耳ーーーー』
〈Soulking〉『懐かしいねー』
〈Zero〉『俺も知らねーな・・・』
〈Daikon〉『たしか、盾役好きな人たちの集まったギルドよね』
〈Gen〉『知ってんの!?w』
〈Zero〉『えっ!?』
〈Jack〉『だい知ってるのーーーー?』
〈Daikon〉『うん。リダがいたのは知らなかったけど』
〈Daikon〉『〈
〈Gen〉『シャケwwwなついwww』
〈Gen〉『なんでギルドリーダーでもないメンバー知ってんだw』
〈Daikon〉『野良の時に、組んだことがあったから』
〈Senkan〉『え・・・リダのいたとこ、なくなったって言ってたけど・・・』
〈Yume〉『だいが野良だった時って、ゼロやんとフレンドなる前ってことだよね・・・?』
〈Daikon〉『うん。だから・・・割と始めて間もない頃だったかな、組んだのは』
〈Hitotsu〉『そんな頃に組んだ人の名前とギルド、覚えてるんですか・・・?』
〈Loki〉『す、すげぇ・・・』
〈Daikon〉『え?・・・え?』
〈Zero〉『いや、こいつはそういう奴だから』
〈Jack〉『超記憶力だねーーーーwww』
そして始まったリダの前置きの中で、知らないギルドと名前が出てきたと思えば、まさかまさかのだいの発言。
さすがにその記憶力にみんなも脱帽というか、唖然としたみたいだけど、俺と初めて組んだ時のパーティメンバーまで覚えてるくらいの奴だからな。俺からすれば驚かないぜ!
〈Gen〉『だいが知ってたのには驚いたが、まぁそこが突然解散になったんだよw』
〈Gen〉『これが【Teachers】を作る、1ヶ月前くらいのことだな』
〈Soulking〉『リーダーの飽きた、で終わったんだよねー、たしか』
〈Yume〉『嫁キングもそこにいたの〜?』
〈Soulking〉『ううん。私は【
〈Pyonkichi〉『だいさんだいさん、そこはどんなギルドなんだい?』
〈Senkan〉『いや、さすがに何でもは知らねーだろw』
〈Daikon〉『獣人縛りのギルドよね』
〈Loki〉『知ってたー!w』
〈Jack〉『そこは私も覚えてるかもーーーーw』
〈Zero〉『あー・・・俺もなんかうっすら聞いたことあるような・・・』
〈Pyonkichi〉『でも誰がいたかまでは・・・』
〈Daikon〉『〈
〈Hitotsu〉『知ってるんですか!?』
〈Daikon〉『〈
〈Soulking〉『すっごいねっw』
〈Soulking〉『私はここに移るから抜けさせてもらったんだけど』
〈Soulking〉『コングさんが3年前に別鯖移った時にギルドは解散して、あすちゃんはもう引退しちゃってるよw』
〈Loki〉『すごいっすね・・・』
〈Daikon〉『ゼロやん主催のスキル上げは、割と色んな人が来るから、たまたま会ったことがあっただけだよ』
〈Jack〉『でもなかなか小規模ギルドだったよねーーーー?』
〈Soulking〉『MAXいた時で6人かなっw』
〈Senkan〉『そのうちの2人覚えてるったら、嫁キング含めて半分メンバー知ってるってことかwすげぇなw』
〈Loki〉『俺、【Vinchitore】のメンバー半分も知らないっすよw所属してたのにw』
〈Jack〉『いやーーーー、あそこは人多すぎるよーーーーw』
〈Yume〉『みんなけっこう昔は違うとこいたんだね〜』
〈Soulking〉『ゼロやんとだいも、元【Mocomococlub】だもんねっ』
〈Zero〉『あー、俺はその前は【
〈Jack〉『お、懐かしいねーーーー』
〈Loki〉『知ってるんすか?』
〈Jack〉『昔あった、攻略ギルドだよーーーー』
〈Jack〉『いまじゃ【Vinchitore】が攻略最大手って感じだけど、昔は色んなギルドがHP作って、情報あげてたんだよーーーー』
〈Senkan〉『あー、あったな。有象無象の情報サイトw』
〈Zero〉『別ギルドの情報が間違ってたら叩けるからって、検証とかさせられたなー・・・』
〈Gen〉『前置き進めたいのに、みんな気になる会話するじゃないかw』
〈Gen〉『ちなみにゼロやんのとこにいたはずの〈
〈Zero〉『あー・・・そんな奴いたような・・・』
〈Daikon〉『【Natureless】でゼロやんがちゃんと覚えてるの、〈
〈Zero〉『そら現役フレンドだからな』
〈Yume〉『あ、その人スキル上げで組んだことあるな〜』
〈Yume〉『でもあれだね〜。ゼロやんって何気にフレンド多いよね〜』
〈Zero〉『んー・・・実際チャットで話したりするのは、今出たレッピーとか、【Mocomococlub】時代のフレの
〈Zero〉『でも一応、引退して名前だけ残ってるって人も多いけど、フレリストは400人くらいだな』
〈Pyonkichi〉『多っ!』
〈Loki〉『すごいっすね・・・』
〈Daikon〉『スキル上げ終わった後、よく申請されてたものね』
〈Jack〉『さすがずっと見てきた人ーーーーw』
〈Soulking〉『でも、長くやってると、知ってる人繋がるもんだねー』
〈Gen〉『ま、それがMMOの醍醐味だなw』
〈Gen〉『ってことで、俺は当時のリーダーのせいでギルドを失ったわけだw』
〈Jack〉『戻したーーーーw』
相変わらずお喋り好きな俺ららしく、こんな夜更けにも関わらずまたしても脱線してしまった流れを、リダがバッサリと戻してみせる。
こういうとこがね、リダの頼もしさだよね。
でも途中で話題に出た中身の一部は個人的にも懐かしいものがあり、ちょっとセンチメンタルってわけじゃないけど、当時のことを思い出したりしたのは秘密である。
〈Gen〉『そういうわけで、俺が作りたかったのは、勝手になくなったりしない、安定した・・・帰ってくる場所って思えるようなギルドだったんだw』
〈Pyonkichi〉『嫁キングがいりゃそこはもう条件クリアなんじゃねーの?w』
〈Gen〉『それはそれ、これはこれw』
〈Soulking〉『その頃はまだ結婚してたわけでもないしっw』
帰ってくる場所、か。
その言葉は、このギルドを表す言葉として最適だと思った。
今回しばらく来れなかっただけで、今こんなにもみんなと一緒にいれて楽しくて嬉しいと思えるのだから。
リダは無事に、そんなギルドが作れたんだなぁ。
〈Gen〉『そう思って、嫁キングに相談して、どんな人たちを集めれば安定したギルドになるかを考えたんだw』
〈Soulking〉『懐かしいねっwどっちも加入条件が尖ったとこにいたもんだから』
〈Soulking〉『メンバーにも何かしらの縛りが必要って、勝手に思い込んでたんだよねっw』
〈Jack〉『そういうことかーーーーw』
〈Pyonkichi〉『盾好き縛りと、獣人縛りにいたんだもんなー』
〈Loki〉『でもまさかリアルの条件が求められるなんて、誰も思わないっすよねw』
〈Gen〉『でも、こんなに集まったw』
〈Jack〉『違う人もいるけどねーーーーw』
……なるほど、そんな背景があって【Teachers】の条件が生まれたのか。
でも、何だかんだリアル同業って話しやすいし、結果的にそれがリダの望んだギルドに繋がったって気もするな。
〈Gen〉『ジャックが入ってきた時は、いきなりなんて大物が来たんだと焦ったなw』
〈Soulking〉『だねっwめっちゃ焦ったw』
〈Gen〉『でもそこからトントン拍子にさ、職業詐称状態のだいが来てw』
〈Daikon〉『ちょ、直前だったしほぼセーフよ!』
〈Gen〉『追いかけるようにゼロやんがきたw』
〈Zero〉『いや、俺もびっくりしたんだって!w』
〈Zero〉『まさかだいが俺に何も言わずにギルド入るなんて思わなかったし!』
〈Soulking〉『はいはい、相思相愛結果オーライだったねっw』
〈Pyonkichi〉『さすが愛し合う二人だな!』
〈Yume〉『運命の赤い糸だね〜w』
〈Daikon〉『わ、私はどうせゼロやんも来るだろうって思っただけだもの!』
〈Senkan〉『いや、それこそ相思相愛だろw』
〈Gen〉『でもおかげで5人になったから、色々出来るようなったんだよなw』
〈Gen〉『で、新年度なったら、ちょんが入って、割と雑談も増え出したんだよなw』
〈Jack〉『懐かしいねーーーーw』
〈Soulking〉『入った時からちょんは結婚してたもんねー。色々話したなぁ』
〈Senkan〉『あー、たしかに二人が理想の旦那像の話してたの覚えてるわw』
〈Gen〉『それを聞かされていた俺の気持ちよw』
〈Zero〉『南無w』
〈Soulking〉『あの頃はジャックもだいも男のふりしてたもんねっw』
〈Jack〉『オフ会してなかったら、きっと今もだよーーーーw』
〈Gen〉『そんな実はリアル女性多め構成の中、せんかんが入ってきたのがGW頃だったかw』
〈Senkan〉『だな!俺、バリバリの初任者時代だ!w』
〈Soulking〉『ゼロやんとせんかんはあっという間に仲良くなってたねっ』
〈Zero〉『まぁほら、校種も教科も一緒だったし』
〈Senkan〉『俺地歴、お前公民』
〈Zero〉『社会でいいだろうが!w』
〈Gen〉『この掛け合いが始まって、活動日以外も雑談ログインが増えたなw』
〈Gen〉『で、夏休み頃にかもめがやってきたw』
〈Pyonkichi〉『元気かなー』
〈Jack〉『かもめが一番仲良かったのはぴょんだろねーーーーw』
〈Soulking〉『ちょんみたいによく喋るタイプじゃなかったから、いじってくれるぴょんと相性良かったんだろねっw』
〈Gen〉『しかしここから、全然人が来なくなった!w』
〈Jack〉『だねーーーーw』
〈Zero〉『むしろ減ってったからなw』
〈Senkan〉『その節はどうも^^』
〈Gen〉『せんかんとちょんが抜けて、やむを得ないのはわかったけど、俺ちょっと泣いたw』
〈Yume〉『マジ〜?』
〈Pyonkichi〉『おいおいいい奴かよw』
〈Loki〉『熱いっすね!』
〈Senkan〉『な、なんかごめん・・・』
〈Gen〉『いやいやw』
〈Gen〉『だから、ゆきむらが来た時は嬉しかったなw』
〈Soulking〉『一昨年の春先だよね、ゆっきーが入ってきたのっ』
〈Daikon〉『ゆっきーもあの頃と今じゃだいぶ変わったね』
〈Zero〉『いや、それおまいう・・・』
〈Gen〉『まぁでも、いい変化だろうw』
〈Gen〉『な!w』
……しーん。
〈Pyonkichi〉『おーい、ゆっきー聞こえてっかー?』
〈Jack〉『おねむかもねーーーー』
〈Zero〉『あー、たぶんうちの妹ももうそんな時間だと思う』
〈Loki〉『たしかにいっちゃんもいないっすね!』
〈Daikon〉『もういい時間だものね』
〈Soulking〉『もうすぐ日が変わるーw』
〈Gen〉『おっとwじゃあ急ぐか!w』
〈Yume〉『まだ前置きあるの?w』
〈Gen〉『おうよwゆきむらが入って、その後ぴょんが入っただろw』
〈Pyonkichi〉『我、降臨☆』
〈Gen〉『一気に賑やかになったよなw』
〈Soulking〉『だねっwぴょんのおかげでちょんがいなくなって以来減ってた雑談が増えたw』
〈Yume〉『昔からうるさかったんだね〜』
〈Gen〉『さらにかもめが抜けてちょっと落ち着いたと思ってたら、ゆめが入ってさらに賑やかになったw』
〈Pyonkichi〉『同じこと言われてんじゃねぇか!w』
〈Yume〉『こんなにお淑やかで清楚なのに〜』
〈Daikon〉『でもたしかに、二人が入ってからは何気ない会話がすごい増えたわね』
〈Zero〉『だいは変わらず静かだったけどな』
〈Jack〉『ゼロやんのツッコミも増えたよねーーーーw』
〈Loki〉『昔からずっとツッコミなんすね・・・!』
〈Senkan〉『そしてこれからもだなw』
〈Soulking〉『がんばっw』
〈Gen〉『うむwで、あーすが入って、人数が過去最高になったw』
〈Pyonkichi〉『最初マジなんなのこいつって思ってたわー』
〈Gen〉『それは・・・まぁみんなそうだろw』
〈Loki〉『なんか可哀想っすね・・・』
〈Zero〉『それもまたあーす』
〈Senkan〉『さすが兄貴、悟ってるw』
〈Gen〉『そして、せんかんが戻ってきて、いっちゃんがきて、ロキロキが来て』
〈Gen〉『ここにきて一気に人が増えたw』
〈Loki〉『入れてよかったっす!』
〈Senkan〉『俺も、帰ってきてよかったと思ってるよw』
〈Gen〉『うむw人が多いのはいいことだw』
〈Gen〉『いつもそこに誰かがいるって思うと、立ち寄りたくなるからなw』
〈Soulking〉『だねっw今日は誰がいるかなーって、ついつい思っちゃうw』
〈Zero〉『それは、分かるな』
〈Yume〉『ゼロやんとだいとジャックはだいたいいると思うけどね〜w』
〈Daikon〉『ゆっきーもけっこういると思うけど・・・』
〈Jack〉『んーーーー、ゼロやんとだいは、昔ほど毎日じゃなくなった気もするけどねーーーーw』
〈Pyonkichi〉『おっとー、これはラブなタイムを過ごしてるというタレコミですね』
〈Senkan〉『得意のおっさんノリキター』
〈Zero〉『もうツッコまねぇぞ?』
〈Pyonkichi〉『なるほど。突っ込むのは別のもの、と』
〈Zero〉『やめい!!!』
〈Yume〉『結局ツッコんでるw』
〈Loki〉『さすがっすね!w』
〈Senkan〉『これも一つのノリツッコミか・・・メモメモ』
〈Gen〉『ほんとボケだらけだなうちはw』
〈Gen〉『とまぁ、つまりだw』
〈Gen〉『ここまでを前置きとして』
〈Gen〉『いよいよ問題を出すぞ!』
〈Zero〉『ついにか!』
〈Jack〉『おーーーーw』
〈Yume〉『長かったね〜』
〈Pyonkichi〉『これは問題に期待できるな!』
〈Daikon〉『でも、思い出すと色々懐かしかったわね』
〈Soulking〉『だねっw』
〈Senkan〉『さすがギルドの生き字引w』
〈Loki〉『勉強なったっす!』
〈Gen〉『ならよかったw』
〈Gen〉『では、いざ!!』
長い長い会話の末、既に時刻は23時59分。
ほんともう、色んな話をしすぎてまとめきれないけど、リダの思い出語りにより、俺も色んな記憶が蘇った。
楽しいことも悲しいことも色々あったけど……いや、思い出せばだいたいは楽しいことかくだらないことばっかな気がするけど、ほんとに俺はこのギルドを、自分の居場所にしてきたんだなって、思い返すことができた。
だからこそ、この場所を作ったリダの問題に、全力を持って応えたい。
そんな気持ちで、俺はリダのログを待つ。
そして。
〈Gen〉『問題!前置きを踏まえ、次の言葉に対する言葉を答えよ!』
言葉に対する、言葉?
何だろう。
そう思って、さらなる言葉を待つ俺の前に。
〈Gen〉『おかえり』
この四文字が、現れたのだった。
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