第385話 試される愛②
〈Pyonkichi〉『なんでわかった!?』
もったいぶったぴょんはまさか先に当てられるとは思ってなかったのだろう、なんと言うかもう、コテコテな反応を見せたてくれた。
でも個人的に嫁キング→ジャックときたら、古参順に次はだいかと思ったのだが、なぜだいは分かったのだろう?
〈Daikon〉『年齢順でしょ?』
……ん?
それなら、アレじゃね?
〈Yume〉『あー、たしかに』
〈Zero〉『それならリダからじゃねーの?』
と、今度は俺とゆめのログのタイミングがダダ被り、完全に俺が分かってないやつで、ゆめが分かってるやつ感がハッキリと露わになる。
いや、でもギルド最年長はリダだし、俺間違ってないと思うんだけど……。
〈Senkan〉『ま、最後の試練はギルドリーダーのリダからが順当かw』
〈Gen〉『おおw』
〈Loki〉『たしかにその方がしっくりきますね!』
あー……なるほど。
そうなると、
ラストの方にゆきむらとか、みんなの問題を見てどんな問題を合成するのか全く想像つかないけど、とりあえず、あと7人……!
〈Pyonkichi〉『じゃー、問題!』
俺が気合を入れ直したところで、気を取り直したぴょんも出題の構え。
ぴょんの問題とか全く予想つかないけど、さぁ何がくる……!?
〈Pyonkichi〉『記念すべき第一回【Teachers】オフ会が行われた場所は』
え? 簡単すぎね?
でも問題の続きは、3,4秒待ってもやってこない。
え、これでいいの?
ちょっと拍子抜けしながら。
〈Zero〉『横浜!』
と、答えた直後。
〈Pyonkichi〉『ですが!』
間髪入れずに、俺のログから1秒も経たない内に現れたその文字に、俺は全力苦笑い。
新喜劇なら、再びって感じである。
〈Zero〉『ひっかけかよ!』
〈Yume〉『絶対ですが用意してたね〜w』
〈Yukimura〉『行きたかったです』
〈Loki〉『横浜楽しそうですね!』
〈Senkan〉『じゃあそのうち中華街オフだな!』
〈Daikon〉『中華・・・』
〈Jack〉『安定のだいーーーーw』
そしてまたしても雑談が間に入って、問題進行が止まってしまうが、この雑談の中で相変わらずの食いしん坊キャラを発揮しただいにちょっとホッとした。うん、もう平常運転だな。
そんな安堵感を抱きながら、『ですが!』の続きを待つ。
そして待つこと数秒。
〈Pyonkichi〉『これまで開催されたオフ会の数と、オフ会に参加した述べ人数を掛けた数を求めよ!』
〈Yume〉『うぇ〜国語科とは思えぬだるい問題だ~』
〈Hitotsu〉『そんなにたくさんオフ会ってやってるんですか?』
〈Yukimura〉『えっと、数えてみます』
〈Jack〉『いやいやーーーー教えちゃダメだよーーーーw』
〈Gen〉『さすがゆきむら、愛ゆえの天然サポーター化するとこだったなw』
〈Yukimura〉『むむ?』
なんて、早速問題に対しみんなそれぞれコメントを残すが、俺はもちろんすぐさま記憶の整理である。
第1回はログにも出た横浜で、俺、だい、ぴょん、ゆめの計4人。いやぁ、まだ数ヶ月前なのに、なんかすげぇ懐かしいな。
で、第2回はゆきむらとジャックが加わった計6人の新宿オフ。
その次ってなると、えっと、大和がやってきた時の奴だっけ? となるとあれはジャックアウトの大和インで……第3回が計6人か。
第4回は宇都宮オフだよな。ってなると、リダと嫁キング、ジャックとあーすが加わるから、計10人か。すげぇな。
その次の第5回は、ゆめと大和の誕生日オフで、リダと嫁キング、あーすなしの計7人だろ?
で、直近最後の第6回はこの前のジャックんちオフで……あーすも来たし、真実とロキロキも加わったから、計10人? いや、でもオフ回自体にはくもんさんとあいつもいたんだよな。これは足していいのか?
たぶんぴょんの性格的にジャックんちオフの他ギルドの二人も数に入れてると思うし、そうだとしたら6×45で270が答えになるんだけど……。
うーん、とりあえず聞いてみるか。
〈Zero〉『先生、ギルドメンバー以外も数に入りますか?』
なんて軽い感じで聞いてみたら。
〈Pyonkichi〉『ノーヒント!君の判断力に任せる!』
〈Pyonkichi〉『あ、数字メッセで送るからだい計算よろ!』
〈Pyonkichi〉『ゼロやんに教えんなよ!』
〈Daikon〉『四則演算くらいやりなさいよ・・・え?数式合ってる?』
〈Pyonkichi〉『おいおいノーヒントだっつってんだろー』
〈Yume〉『なになに~?わたしにも模範回答おしえて〜』
〈Pyonkichi〉『ほい』
〈Yume〉『んん〜・・・?』
なんてね、あ、これ無理ゲーなんじゃないか? っていう予感をもたらす会話が繰り広げられた。
だいとゆめが疑問を持つってことは、そもそも全6回じゃないってことか……? いや、でも俺は皆勤賞のはずなんだけど……。
〈Yume〉『内訳よろ!』
〈Daikon〉『その質問がヒントな気もするけど・・・でも私も聞きたい』
〈Pyonkichi〉『いやいや、ここで話題に出た話だぞー?』
なんて会話が俺が考えている間に行われる。
もうこの段階で6回×45じゃない気がぷんぷんしてきたが、ノーヒントと言われた俺にこれ以上考える術はない。
なのでヒントになりそうな二人のログを待つと。
〈Yume〉『これはヒントあげないと無理だよ〜w』
〈Daikon〉『うん・・・私もそう思う』
〈Pyonkichi〉『んだよ甘ぇなー。じゃあヒントやるかー』
〈Pyonkichi〉『皆勤賞はゼロやんとゆめのみ!』
〈Zero〉『俺とゆめ?』
……俺とゆめ?
え、皆勤賞はそれだけ? どういうことだ?
〈Yukimura〉『ゼロさんとゆめさんだけ、ですか・・・むむ』
〈Jack〉『全然わかんないなーーーー』
そしてそのヒントを聞いても、やはりみんなも分からない様子。
ううむ……。
〈Yume〉『わたし的にはオフ会って認識してなかったけどね~』
〈Senkan〉『あ、あれか?夏か?』
〈Loki〉『なんかみんなで考える問題なってますね!』
オフ会って認識じゃなくて……夏?
うーん……思い出せ、ゆめと二人ゆめと二人……。
あ! あれか? ゆめの演奏会か?
たしかにあの演奏会は俺以外のみんなが行けなかったから、俺が一人だけで行ったやつだよな。でもたしかに俺からしてもあれはオフ会じゃなく、演奏会だったと思うんだけど……うーん、でもあれを足して、オフ会7回、延べ参加は47人とすると。
〈Zero〉『え、えっと・・・では329、でよろしいでしょうか?』
悩んだ末、とりあえずジャックんちオフの時の外部メンバーも数にいれて計算したのを伝えたところ。
〈Pyonkichi〉『はいざんねーん!!』
〈Zero〉『い!?』
〈Yume〉『わたしの演奏会の後、ご飯行ったやつがオフ会なんだって~』
〈Pyonkichi〉『可哀そうなゆめの友達』
〈Zero〉『あ!それも入るの!?』
〈Yume〉『ま~これはしょがないよ~』
〈Senkan〉『えらいむずい問題だったなw』
〈Yukimura〉『分かりませんでした』
〈Pyonkichi〉『ということで、ゼロやんチャレンジ失敗!』
〈Jack〉『あちゃーーーーw』
〈Daikon〉『でももう1問お願いできるのよね?』
〈Gen〉『そういう話だよなw』
〈Zero〉『な、泣きのもう1回!』
〈Pyonkichi〉『しゃーねーなー』
まさかの不正解。なんというか横暴感が否めない不正解に釈然としない気持ちが募るが、みんなの反応がないところからも正解した人はいないみたいで、そこにはちょっとホッとする。
ということで俺は制度上認められている問題おかわりをお願いする。
〈Pyonkichi〉『じゃあそうだなー。今いるメンバー全員の出身地でも答えてもらうかー』
〈Senkan〉『急に投げやりだなw』
〈Jack〉『自分の問題難しすぎて反省してそーーーーw』
〈Yume〉『自業自得ですな~』
〈Pyonkichi〉『うるせえ!』
〈Hitotsu〉『でも次の問題なら当てれそうですね!』
そして代わった問題は、たしかに難しくない問題だった。
今いるメンバーだとリダと嫁キングが栃木で、ジャックとだいとロキロキが千葉、俺と真美が秋田で、大和が新潟、ゆきむらが埼玉、ぴょんが愛知、ゆめが神奈川、だよな。
で、この回答を伝えたところ。
〈Pyonkichi〉『はいせいかーい』
〈Senkan〉『ためも何もないw』
〈Yukimura〉『千葉県民多めですね』
〈Jack〉『あーすも千葉生まれだしねーーーーw』
〈Senkan〉『じゃあ次は俺かw』
〈Pyonkichi〉『ん。いけいけー』
〈Yume〉『すっかり投げやりw』
〈Gen〉『言い出しっぺ頑張れよw』
無事正解し、次の出題者が予定通り大和になる。
しかし大和か、あいつは空気が読める奴だからたぶんそんな難しい問題じゃないだろう。
残る問題あと6問。
……なげぇなぁ。
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