第383話 いい大人たちの平常運転
〈Pyonkichi〉『しっかし、ここまでくると狙ってんじゃねーかって思えてくるな!』
〈Yume〉『実は大事じゃないのかもよ〜、このギルド』
〈Yukimura〉『なるほど、あーすさんにはギルド愛がないと・・・』
〈Zero〉『いや、俺もいなかったりしてなー、とは思ったが・・・ゆきむら、さすがにそれは可哀想だろw』
〈Pyonkichi〉『いやぁ、その大事さに気づいた男の言葉は重いね!』
〈Zero〉『いや、あの、すみませんした!』
〈Gen〉『むしろ捨てられたのは俺;;』
〈Soulking〉『イラネ!!(*゚Д゚)ノ⌒゚ ポィ』
〈Gen〉『ええ!?』
〈Jack〉『嫁キングーーーwww』
〈Senkan〉『まさかのキラーパスw』
〈Yume〉『こうして一組の夫婦が終わりを迎えるのだった・・・完』
〈Loki〉『え、終わりっすか!?』
〈Hitotsu〉『なんだか皆さん、今日は楽しそうですね!』
〈Daikon〉『ね。誰かさんが来たからって言ったら、調子乗りそうだけど』
〈Yume〉『そんなこと言って、ゼロやんいない時の活動日、だい超エアーだったじゃ〜んw』
〈Daikon〉『そ、そんなことないわよ!』
〈Loki〉『え?火曜日だいさんいましたっけ・・・?』
〈Daikon〉『いたよ!』
〈Senkan〉『ロキロキに言われるってガチじゃねーかwww』
〈Yukimura〉『でも私もお話した記憶が・・・』
〈Zero〉『ゆきむらw』
あー、楽しい!
なんかもう頭の中で草が生えまくりそうなレベルだよ。
予定調和のように不在のあーすをいじってたと思ったら、別なメンバーにどんどん被弾していくこの会話。
この流れこそ【Teachers】なんだよな。
LA歴で考えたらギルドから離れてたのなんてほんのちょっとの期間のはずなのに、それをこんなにも愛しく思うとは。
会話してるだけで、もうログインから1時間以上経っちゃってるし。
ほんと、このギルドが俺の居場所なんだな。
〈Zero〉『しかし活動日でもないのに、めっちゃ人多いのなw』
そんな大切なみんなに素直に「ありがとう」を言うべきなのかも知れないが、さすがにそれは気恥ずかしくて、俺はこんな風に茶化すことしか言えなかったけど、けれど、きっとみんななら、これが俺からの「みんな来てくれてありがとう」だって、分かってくれるはず。
〈Yukimura〉『あ、今日は』
〈Hitotsu〉『ゆっきー!』
〈Yukimura〉『あ』
〈Yukimura〉『すみません』
〈Zero〉『へ?どした?』
〈Hitotsu〉『んーん!なんでもない!』
〈Daikon〉『・・・何かあるの?』
むむ?
みんなに軽口聞いて、「俺のためだと思ったんだろうが調子乗んな」って言われるまでが流れだと思ったんだけど、予想外にもぴょんやゆめからのツッコミがない。
むしろなんか意味ありげなゆきむらの発言があったけど……真実は何か知ってそうだが、だいも知らないみたいだし、果たしてどういう意味なのだろう。
そんな風に不思議な会話に首を傾げていたら。
〈Pyonkichi〉『さては仕事でもしてんのかあいつ?』
〈Soulking〉『それは許してあげようよw』
〈Senkan〉『ま、21時過ぎても来ないんじゃ、しょーがないんじゃね?』
〈Yume〉『だね〜。もう始めちゃっていいんじゃな〜い?』
〈Jack〉『ゼロやんちょっとラッキーかもだねーーーーw』
〈Zero〉『・・・へ?』
〈Pyonkichi〉『しゃーねぇなぁ!もう来なかったら来なかったでどんまいでいっか!』
〈Pyonkichi〉『うし!じゃあ始めっぞー』
〈Zero〉『あ、あの何を?』
〈Pyonkichi〉『各員、準備せよ!』
〈Pyonkichi〉『5秒前!』
〈Daikon〉『準備・・・?』
え、全く流れが見えないけど、どういうこと?
完全に蚊帳の外に置かれてる気分になりながら、みんなのログを眺めることしか出来ない俺。
でもまるで何か催しものがあるかのような、そんな雰囲気なのだが……こっそりゆきむらにメッセージしてみようかな、なんて思った
〈Pyonkichi〉『ゼロやんのギルド愛を取り戻せ!第一回【Teachers】クイズ大会開幕を宣言する!!』
〈Yume〉『いぇ〜ぃwww』
〈Jack〉『わーーーーwww』
〈Senkan〉『ふっふー☆』
〈Yukimura〉『どんどんぱふぱふ』
〈Loki〉『待ってましたーw』
〈Hitotsu〉『よっ!名司会!』
……へ?
突然のぴょんの宣言とその直後一気に現れたみんなの反応に、俺は口を半開きにして何事かとモニターを眺める。
〈Daikon〉『え、何それ・・・?』
〈Pyonkichi〉『情報漏洩を避けるため、だいにも秘密にしてました☆』
〈Yume〉『ごめんね☆』
〈Daikon〉『あ、うん・・・』
だが俺同様の気持ちになってたのはだいも同じだったようで、たぶんだけど、ちょっと今しょんぼりしてそう。どんまい。
っていうかみんなの合いの手、絶対ぴょんの仕込みだよな……あ、準備ってこれか! しかし、なんでゆきむらだけ効果音なんだ……?
と、俺が唐突な流れに呆気に取られていると。
〈Gen〉『説明しよう!』
合いの手メンバーにいなかったリダのログが現れたと思ったら——
〈Gen〉『ゼロやんのギルド愛を取り戻せ!第一回、【Teachers】クイズ大会とは』
〈Gen〉『ゼロやんがいかに【Teachers】を愛しているか』
〈Gen〉『【Teachers】の皆をどれほど知っているかを試す試練である!』
〈Gen〉『ルールは簡単!』
〈Gen〉『これからゼロやんにはみんなから出されるクイズに答えてもらう!』
〈Gen〉『出題者のクイズに正解すればクリア』
〈Gen〉『間違えれば出題者はゼロやんに何でもお願いしてもいい権利を獲得する!』
〈Gen〉『お願いを通してゼロやんは出題者との愛を深めるんだ!』
〈Gen〉『なお、問題のチェンジは不可。泣きのもう一問はそれぞれに対し各1回までOK』
〈Gen〉『ゼロやんが間違えた問題を、別なメンバーがクリアすればゼロやんから好きな装備を買ってもらえるor入手するまで奴隷とすることが出来る権利が手に入るぞ!』
〈Gen〉『以上!検討を祈る!』
〈Gen〉『みんな仲良しになーれっ』
〈Gen〉『 ∧_∧ 』
〈Gen〉『(。・ω・。)つ━☆・*。』
〈Pyonkichi〉『なげぇw』
〈Gen〉『⊂ ノ ・゜+.』
〈Gen〉『 しーJ °。+ *´¨)』
〈Gen〉『 .· ´¸.·*´¨) ¸.·*¨)』
〈Gen〉『 (¸.·´ (¸.·'* ☆』
〈Pyonkichi〉『あ!』
〈Yume〉『あ〜w』
〈Senkan〉『このためにマクロ組んでたっぽいのに、見事な妨害www』
〈Jack〉『でも健闘が検討なってるよーーーーwww』
〈Gen〉『AA崩れ泣きそうw』
〈Gen〉『でも、ってことだから!w』
ってログが、10秒もかからず出現する。当然人間にタイピングできる速さではないし、懐かしのAAなんか手打ちでやってるわけないから大和の言う通りマクロにこの長台詞というか、説明を組み込んだんだろうけど……。
え、ええと……とりあえず、そういうこと、なんだな!
なんかもうなにをツッコめばいいのか分からないレベルで、モニターいっぱいのリダのログにお腹いっぱいになりかけたが、とりあえず今日なんでみんなが集まっているのかは理解できた。
しかし俺が不正解の時のペナルティがすげぇ重たい気がするんだけど……でも、そんなことは言ってられないか!
〈Zero〉『理解した!!』
〈Loki〉『おお!飲み込みが早い!』
〈Jack〉『さすがゼロやーーーーんw』
〈Pyonkichi〉『珍しくノリいいじゃん!』
〈Pyonkichi〉『じゃあ早速いくか!』
〈Pyonkichi〉『先頭バッターは嫁キングから!』
よし、なんでもこい!
そう思って、出題を待つ俺。
しかし。
〈Yume〉『嫁キング〜?』
〈Daikon〉『離席?』
〈Hitotsu〉『ですかね?』
なかなかこない出題に、みんなも不思議がってきた時。
〈Gen〉『〈Yomeking〉『第一問!』』
って、ログがやってきて——
〈Senkan〉『二人羽織www』
〈Jack〉『名前違うよーーーーw』
〈Gen〉『あ!』
〈Gen〉『とりあえずすまん!子ども起きたからw』
〈Yume〉『それはしょがな〜い』
〈Pyonkichi〉『うむ、代理出題を認める!』
新喜劇なら間違いなく全員がずっこけたであろうログに、各々のツッコミが入る。
まぁこれはリアル優先の事態だからしょうがない。
ってことで。
〈Gen〉『〈Soulking〉『【Teachers】のメンバー、古参順に全て答えよ』』
〈Pyonkichi〉『なるほど、そんな感じで出題すればいいのか・・・』
〈Jack〉『ええーーーー!?www』
〈Yume〉『さすが見切り発車の天才w』
〈Senkan〉『しかしさすが1問目、易問だなw』
〈Loki〉『古参のゼロさんならいけそっすね!』
早速出された1問目。
その難易度は、大和が言うようにたしかに容易い。
これならば!
突然の展開だったが、これがみんななりの歓迎なんだろう。
期待されるならばしょうがない、
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